電通が9月13日に発表した「AIに関する生活者意識調査」の結果によると、15~19歳の男性は、他の世代と比べAIに対する期待が高い傾向にあるという。

同調査は同社が6月14日~21日にかけて、全国の15~69歳の男女を対象にインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は3000人。うち15~19歳が208人。

昨今のAIに関する出来事やニュースを見聞きしてAIに期待していることを尋ねたところ、「無駄・非効率な業務が減ること」が26.4%で最も多く、以下「AIにより産業・技術革新が進むこと」(20.5%)、「社会課題(環境問題、医療問題、災害対策、交通渋滞、人口問題など)の解決につながること」(17.8%)、「必要な情報を収集してくれること」(17.2%)、「言語の壁を越えいろいろな情報や人とコミュニケーションがとれること」(17.1%)が続く。

  • AIに期待すること(複数回答) 出典: 電通

性別・年代別で見ると、15~19歳の男性はいずれの項目でも全体平均を上回り、他の世代と比べAIに対する期待が高い傾向にある。

  • 性・年代別 AIに期待すること(複数回答) 出典: 電通

AIによる業務の代替が進むと想定してAIに任せてもよいと思う業務では、翻訳が42.4%と最多であり、以下、ルーティンワーク・単純作業(37.7%)、組み立て作業(36.3%)が続く。

一方、AIに任せず人間がやった方がよいと思う業務では、医療処置40.7%が最も多く、以下、医療診断(36.7%)、経営などの意思決定(30.6%)の順だった。

  • AIに任せてもよい/人間がやった方がよいと思う業務(複数回答) 出典: 電通

AI利用に関する考え方を聞くと、「AIが生成したものには、信頼できる発信元からの情報によって生成されたものであることが分かるような表記を義務付けるべきである」(54.9%)および「AIが生成したものには、そのことが分かるような表記を義務付けるべきである」(54.8%)が半数を超えた。

  • AI利用に関する考え 出典: 電通

一般企業従事者がAI導入を考える目的では、人手不足対策(73.0%)、コスト対策(70.1%)、ビジネス・チャンス(66.6%)がいずれも約7割となった。導入時期を見ると、最もAI導入意向が高かった人手不足対策では、今すぐ(11.8%)から半年以内(5.8%)までの合計が32.7%を占める。

  • ビジネスでの導入を考える時期 出典: 電通

AIがビジネスへ与える影響について尋ねたところ、従業員数300人以上の企業に勤める回答者は300人未満の企業に勤める回答者と比べ、「自社におけるAI導入は、コストというよりも業務効率化や人員対策につながる方が大きいと思う」や「AIを活用することで業務効率の向上につながるため、自社業務においても積極的に活用すべきである」の比率が高かった。

  • AIがビジネスへ与える影響についての考え 出典: 電通