Microsoftは8月31日(米国時間)、「Microsoft announces changes to Microsoft 365 and Office 365 to address European competition concerns - EU Policy Blog」において、欧州委員会が現在進めている調査に関し、調査自体はまだ継続中ではあるもののこれら懸念に対処し解決することを示す積極的な変更を行うと発表した。

  • Microsoft announces changes to Microsoft 365 and Office 365 to address European competition concerns - EU Policy Blog

    Microsoft announces changes to Microsoft 365 and Office 365 to address European competition concerns - EU Policy Blog

2023年7月、欧州委員会(EC: European Commission)はMicrosoftがMicrosoft 365およびOffice 365の法人向けスイートに「Microsoft Teams」をバンドルしていることに関して調査を開始すると発表した。欧州委員会の主な懸念は次の2つとされている。

  • Microsoft Teamsを含まないビジネススイートをMicrosoft Teamsを含むビジネススイートよりも廉価な価格で提供し選択できるようにすべきである
  • Microsoft 365とOffice 365スイートと競合他社のコミュニケーションおよびコラボレーションソリューションとの相互運用性をより容易にするためにもっと取り組みを行うべきである

欧州委員会による調査は現在も継続中とされているが、Microsoftはこうした懸念を払拭するために次の取り組みを始めると発表した。

  1. 2023年10月1日より欧州経済領域(EEA: European Economic Area)およびスイスにおいて、主な企業ユーザーに対してMicrosoft 365およびOffice 365スイートからMicrosoft Teamsのバンドル廃止の選択肢を提供する。Microsoft Teamsを含まないスイートは従来の価格よりも下げて提供する。月額で2ユーロの値引き、または年間で24ユーロの値引きとなる。既存の企業ユーザーは現在の製品を使い続けるか、Microsoft Teamsのないスイートに移行するかを選択できる。新規の企業ユーザーに対しては、月額5ユーロまたは年間60ユーロでMicrosoft Teamsのスタンドアロン提供が行われる
  2. Microsoft 365およびOffice 365との相互運用性に関するリソースを強化する。Microsoftはすでにこれら製品およびサービスとの連携機能を提供しているが、今後さらに多くの連携機能を提供する
  3. サードパーティのソリューションがMicrosoft OfficeのWebアプリケーションをホストできるようにする新しい仕組みを提供する。具体的には、Microsoft Teamsが行っている機能をサードパーティも利用できるように新しい仕組みを開発するとしている

Microsoftは欧州委員会の調査に協力する姿勢を見せている。なお、発表された内容は欧州経済領域およびスイスが対象とされ、それ以外の国や地域に関しては何の言及も行われていない。