猛暑が続いており、仕事が捗らないという人もいるだろう。もともと夏は生産性という点ではベストシーズンではない。夏の休暇により担当者不在となり、仕事が止まってしまうということもある。そんな時こそ、生産性を見直してみるべきだ。
忙しいときこそ考える時間が必要
家族がいる人は子どもが夏休みになったり、仕事でも同僚、上司、取引先、顧客が休みでいなかったりと、いつもとはちょっと違うのがこの時期だ。そこで記事では、自分のペースを落とすだけでなく、働き方を振り返ることを提案している。ポイントは「スピードだけが生産性アップの唯一の方法ではない」ということだ。
「生産性とは皮肉なもので、もっと一生懸命に働かねければならないと思いがちだが、生産的になるのに必要なことは忙しさを減らし、落ち着いて考える時間を増やすこと」と認定エグゼクティブ・コーチ兼ファシリテーターのBecky Hall氏は話している。
忙しく仕事をしている時よりも、時間に余裕を持って集中して仕事をした方が成果が良いということはないだろうか?忙しい時はミスも多い。慌ててやっているのに、戻らなければならないとなると、生産性にはマイナスだ。一方で、落ち着いて考えながら仕事をすると、ミスは減り、実は短時間で質の高い仕事ができているのではないか。
生産性を上げるというプレッシャーの中で働いているという人、自分の仕事の状況を振り返ってみよう。時間に追われて考える暇もなく仕事をしている時に、望み通りの生産性が出ているだろうか?
完全ではないにせよ、自分の時間をコントロールできていない時に、仕事をきちんとコントロールできているだろうか?最初のステップは、一旦中断して時間をとり振り返ることだ。そして、自分の仕事のやり方や業務時間の過ごし方を思い出し、そのやり方を継続すべきかを決める。気付き、振り返り、選択、リセットと4ステップを踏む。
もし、常に時間に追われていると思うのであれば、一週間の中でスローダウンして、深呼吸し、考え、振り返る時間を見つけることができないだろうか?
「充分」の感覚を身に付ける
Hall氏によると、毎週どこかにそのような時間を作っても良いし、忙しくなるとわかっていればその後に設けてもいいという。重要なのは「充分」の感覚だという。
特に完璧主義の人は、これで充分というところで止めることを学ぶべきとのこと。「多ければ多いほど良いと考えがちだが、仕事ではそのような“もっと”は不健全な思い込みになりかねない」と同氏。長時間労働は20世紀の労働文化であり、21世紀のデジタル社会は時代遅れ、という。
自分の仕事や業務において充分のラインを考えてみよう。自分の価値を証明するために、働かなければならないという恐れから脱却しなければならないほか、常に対応しなければならないという思い込みから脱却しなければならない。そうすることで、健全な限界を受け入れることができる。
充分のラインを設け、健全な限界を受け入れた状態で働くことができる人が増えることで、組織は健康を取り戻し、ベストな状態で働くことができる。これが生産性アップにつながるとのことだ。
この夏、もしスローダウンしていると感じているのなら、ぜひ充分のレベルで仕事をしてみてはどうだろう?Business Leaderが「Why we need to rethink what productivity looks like in the summer」で、見直しのステップとして伝授している。