ソフトバンクと日本マイクロソフトは8月2日、生成AI(人工知能)領域を中心とした戦略的提携に合意したと発表した。ソフトバンクは、国内の企業・自治体に対して、マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」を組み込んだサービスの提供を開始する。

ソフトバンクは国内の大企業の約93%と取引実績があり、この法人顧客基盤を活用していく。5G(第5世代移動通信システム)をはじめとするモバイルネットワークや、固定ネットワーク、音声通話サービスなどを組み合わせて提供する。

サービス名は「Azure OpenAI Service スターターパッケージ」。生成AIを導入する企業に対して、対象業務の選定や安全性の高い環境構築、基礎知識の学習機会の提供、人材育成、教師データの作成、ガイドラインの整備などのサポートを行う。「生成AIの導入を検討しているが、何から始めたらいいか分からない」といった企業に寄り添う。

「ベーシックプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」の3プランを用意し顧客のニーズに対応する。24時間365日のサポートを提供するほか、プラン内容に応じて、運用監視やインシデントの対応なども可能という。

また両社は、ソフトバンクの法人向けインターネットサービス「SmartInternet」と、マイクロソフトのクラウドサービスへの接続を強化するネットワークサービス「Microsoft Azure Peering Service」の連携サービスを2023年内に提供する予定。

ソフトバンクは自社でスーパーコンピューターを整備し、自社独自の生成AIの開発にも力をいれている。また2023年5月から生成AIを活用したAIチャットを全従業員約2万人に対して導入しており、このノウハウを生かした提案を行っていく。

なお、「Azure OpenAI Serviceスターターパッケージ」は、先行事例としてみずほフィナンシャルグループなどの企業ですでに導入されているほか、SBIホールディングスやちゅうぎんフィナンシャルグループ、宮崎県日向市などへの導入も予定されているとのことだ。