竹中工務店は7月26日、米Boston Dynamicsが開発・提供する四足歩行ロボット「Spot」を活用した実証実験を行ったと発表した。鉄建建設とともに実施したJR新小岩駅南口駅ビルの新築工事において、同ロボットを実測図の作成の補助業務に活用したという。

同社によると、鉄道関連施設といった新築工事完了後も繰り返し改修・改築が行われてきた施設では、新たな工事に着手するにあたり、過去の改修・改築工事をすべて反映した現況の実測図を作成する必要があるという。実測図作成に必要な映像撮影においては、技術者が慎重に作業を行っても建設現場では足元が不安定な為映像がブレる、撮影漏れが生じる、などの理由で撮り直しを強いられ、作成作業上大きな負担となっていた。

  • カメラ搭載Spotによる映像撮影

    カメラ搭載Spotによる映像撮影

そこで今回、階段や不整地においても障害物を回避しながら事前に指示されたルートを自律巡回できるSpotの機能を生かし、頭部に市販のカメラを搭載することにより、ブレや漏れのない映像撮影ができた。映像撮影に要する時間は最大30%削減されたという。

  • Spot撮影映像を基に作成した実測図(点群データ)

    Spot撮影映像を基に作成した実測図(点群データ)

同社はこれまでも、Spotを建設現場巡回や、施工状況の遠隔確認と記録、軽量資材の運搬などに活用しており、今回新たに実測図の作成補助にまで拡大した。同社は今後も、Spotのさらなる活用方法の実現を目指した研究開発、ならびに墨出しロボット、搬送ロボットなどRX(ロボティクストランスフォーメーション)を活用した生産性向上施策の普及展開を図っていく考えだ。