Google 共同創業者のSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏がGoogleのAI分野への関与を深めているという。背景には、この分野で遅れたことの焦りがありそうだ。

ブリン氏は1998年にLarry Page(ラリー・ペイジ)氏とともにGoogleを創業、Google検索のアルゴリズム「PageRank」の考案などでも知られる人物だ。

Googleの成長期にはプレジデントなどの役職に就いたが、2019年にSundar Pichai(スンダ―・ピチャイ)氏のCEO就任に合わせて役員職を退いて以来、Googleの業務というより宇宙など個人的な関心ごとに関与していた。

ブリン氏は、2022年末にGoogle本社でのAIに関するミーティングに参加しており、ここ数カ月は週3~4日、Google本社および本社近くにある新しい拠点で大規模なAIシステムの開発に関与しているという。

Googleは買収したDeepMindのメンバーが関与する「Gemini」プロジェクトを進めており、Brin氏はGeminiに関わっている研究者らと協力しているという。AI分野では、研究者の採用など人事面でも関与を深めているとのことだ。

生成AI分野はOpenAIが人気に火をつけ、その後はMicrosoftがOpenAIとの提携により製品への組み込みなどを進めている。Metaも大規模言語モデル「Llama」、研究および商用利用可能な次世代生成AI「Llama 2」を発表しているが、先週にはMicrosoftとの提携が明らかになった。

Wall Street Journalは、AIが重要な時期を迎えており「Googleは先駆者でありながら、競合と比べると新しい製品に変えるという部分で遅れている」ことがBrin氏の関与が増えていることにつながっているという関係者の見解を紹介している。