Sansanは7月19日、インボイス管理サービス「Bill One」が、請求書関連業務に携わるビジネスパーソンを対象に7月6日~7月10日に実施した「インボイス制度に関する実態調査」の結果を発表した。インボイス制度に向けて約9割の企業が対応を進めている一方で、そのうち適格請求書の受領に関わる準備を完了しているのはわずか2割であった。
請求書関連業務に携わる1000名のビジネスパーソンに対して、インボイス制度開始に向けた対応を進めているか聞いたところ、「対応を進めている」と答えたのは88.3%で、9割近くが何らかの対応を進めていた。同社が2023年2月27日に発表した調査では制度対応率は72.5%であり、各企業におけるインボイス制度への対応が進んでいることが明らかになった。
制度対応を進めていると回答した883名のうち、適格請求書の受領に関わる準備を「完了している」と答えた人はわずか22.5%であった。適格請求書発行事業者の登録申請数は2023年6月末時点で350万件を超え、請求書を発行するための準備を進めている企業は多い一方で、自社が受け取る請求書の処理に関する対応準備は遅れていることが明らかになった。
制度開始が迫る中、特に不安を感じていることの1位は「請求書業務の負荷が増えること」(38.1%)、次いで「取引先とのやり取りや請求書形式の変更により円滑に運用できるかどうか」(34.4%)であった。
取引先の免税事業者への対応方針については、「免税事業者でも取引を継続する」は33.9%、「免税事業者に課税事業者になってもらうよう働きかける」は16.6%、「まだ対応を決めていない」は49.5%と、企業によって対応方針が分かれた。
Sansanは今回の調査結果を受け、適格請求書を受け取る側が対応すべき事項について解説するオンラインセミナーを開催する。日時は7月21日 15:00〜15:40。参加費は無料。参加希望者はこちらのサイトより申し込む。
SansanのBill One事業部 チーフプロダクトマーケティングマネジャーの柘植朋美氏は、次のようにコメントしている。「今回の調査では、インボイス制度への対応を進めている人が約9割と、前回の調査と比較しても対応が進んでいました。一方、大多数の企業において請求書受領に関わる事前準備を完了していないことが分かっており、発行側に比べて受領側の対応への意識が低いことが明らかになりました。」
「インボイス制度は請求書を発行する場合、受け取る場合ともに対応が必要であり、双方で制度への適切な対応が求められます。特に請求書を受け取った場合は、適格請求書かどうかを都度確認するなど追加工数が多く発生するため、正確かつ効率的に対応できる体制の構築が必要となります。当社では、多くの企業がインボイス制度開始後もスムーズに業務が進められ、業務効率化や月次決算の加速、全社の意識決定の迅速化といった効果を感じられるよう、引き続きプロダクト開発を行っていきます。」