マネーフォワードは7月18日、「マネーフォワード クラウド会計」と「マネーフォワード クラウド確定申告」において、受領した請求書や領収書をAI-OCRで解析し、自動で仕訳ができる機能の提供を開始した。
現在、経理担当者は証憑を紙やPDFで受け取った場合、証憑の文字情報を目視しながら仕訳データを会計ソフトに手入力する必要があるため、工数がかかるほか、人力による打ち間違えなどのミスが発生する恐れもある。
2023年10月からはインボイス制度が施行されるため、適格請求書であるかを確認する作業、税率に応じた会計処理、証憑の保管など、作業負担が増えることが予想されており、2023年12月で電子帳簿保存法の宥恕期間が終了し、電子データで受領した証憑はすべての事業者が一定の要件を満たして電子保管する必要がある。
新機能では証憑の文字情報をAI-OCRで読み取ってデータ化し、仕訳まで自動で行うことで、経理業務の負担削減につながり、正確な仕訳ができるようになることに加え、電子帳簿保存法対応を効率化できるという。
利用の流れとしては、スキャンやスマートフォンなどで撮影した証憑をマネーフォワード クラウド会計、同確定申告のAI-OCRで読み取り、自動で仕訳を作成。1つの証憑を複数の日付で仕訳作成をすることも可能なほか、インボイス制度対応として取引先が適格請求書発行事業者に登録しているか否か、読み込んだ登録番号を国税庁法人番号公表サイト検索することで都度確認できる。
また、読み取った証憑は電子帳簿保存法対応ストレージサービス「マネーフォワード クラウドBox」に、電子帳簿保存法の要件を満たした状態で保存され、利用料金は無料(2024年5月まで)。
2回目以降の同じ取引先の場合、同じ相手・内容の取引であれば初回に読み取った証憑データをAI-OCRが学習することから、取引先を一度登録しておけば初回と同じ自動仕訳ルールが適用されるため、確認して登録ボタンを押すだけで仕訳が完了する。
今後、マネーフォワード クラウドBoxにアップロードした証憑も自動仕訳の対象になる機能の提供を予定。これにより、同サービスに複数の証憑を一括でアップロードすれば、AI-OCRで証憑を読み取り、マネーフォワード クラウド会計、同確定申告に連携して自動で仕訳を作成されるという。