識学は7月11日、「残業に関する調査」の結果を発表した。これによると、残業するためダラダラ仕事をする人がいるとの回答が49.7%に上り、ノー残業デーなどの残業施策をしていない企業が88.0%を占めているという。
同調査は同社が6月5日に、全国の従業員数10人以上の企業に勤める20歳以上59歳以下の会社員を対象としてインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は300人。勤務先に、残業するためにダラダラ仕事をする人がいるか聞いたところ、いるとの回答が49.7%に上った。
残業している人の方が実は稼いでいるのでは、と思うことはあるか聞くと、「そう思う」「まあまあそう思う」が計65.7%に上る。
自身が残業をしたいかとの質問では、「残業は絶対したくない」が21.3%、「どちらかというと残業はしたくない」が56.3%で、残業したくない回答者は計77.7%だった。一方、「どちらかと言えば残業したい」が16.7%、「できれば残業したい」が5.7%と、実は残業したいと思っている回答者は計22.3%だった。
残業に対して勤務先がどう評価していると思うか尋ねると、「残業の有無では評価されていないと思う」が66.0%と最多だった。
半面、「残業している人の方が評価されていると思う」が21.0%、「残業しない人の方が評価されていると思う」が13.0%と、残業している人の方が評価が高いのではと感じている回答者が、残業しない人の方が評価されるという回答者を上回っている。
残業について、自身や勤務先がどう思っているか質問したところ、自身については「嫌だ」が48.7%と最も多く、また「効率が悪い」が26.0%と、ネガティブなイメージが多かったものの、「仕事を頑張っている」が20.0%で3位に入り、ポジティブなイメージを持つ回答者もいる。
会社側のイメージでも、「嫌だ」が28.0%で最多だったが、2位は「仕事を頑張っている」(21.7%)で、残業する姿勢は自身にとっても会社にとってもポジティブに捉える回答者が少なからずいると、同社は分析する。
勤務先が定時で帰りやすい環境か聞くと、「定時で帰りやすい環境」が55.0%を占める。
定時で帰りやすい環境が「帰りにくい」「どちらとも言えない」を上回ったが、多くの企業では定時で帰りやすい環境作りがまだ進んでいないとの捉え方もできると、同社は指摘する。
勤務先が、ノー残業デーなど残業に対する対策・施策を行っているかを尋ねたところ、行っているとの回答は12.0%に留まり、行っていないという回答者が88.0%に上った。
残業を減らすために社員側が職場へ求めるものを聞くと、「必要のない業務をさせない」が37.3%と最多であり、以下「残業をしない雰囲気づくり」(32.0%)、「人員を増やす」(27.7%)が続く。
調査結果を受けて同社は、ノー残業デーなどの施策に加え、残業せず働く人に対しても正しく評価をするために、評価制度を整えることも重要なのではないかと指摘している。