大学生協事業連合は7月4日、数百万人規模の組合員管理システムをマイクロソフトの「Microsoft Dynamics 365」により、組合員向けのサービス提供を支える情報管理・マーケティング基盤として刷新したことを発表した。新システムは2022年3月に東京地区の大学を対象に稼働し、2023年1月には全国で稼働している。同システムの導入は日立ソリューションズが行った。
新システムは、各地区で独自にカスタマイズ・運用されていた組合員管理システムを、他大学生協のデータを参照できない個人情報保護の仕組みを実装した上で統合し、スマートフォンやECサイトからもアクセス可能な認証基盤も構築されている。
また、「Microsoft Power BI」を活用することで、組合員の大学生協の利用履歴を分析できるようになったという。加えて、数十種の帳票の一部を「Microsoft Power BI」のレポート機能でリプレースし、大学生協自ら必要な帳票を作成することが可能になった。この結果、現場担当者によるスピーディな分析と組合員へのダイレクトマーケディングが可能となった。
大学生協事業連合は、現場の担当者が地域や大学の特性に合ったマーケティング施策の立案や各種サービスの提供、効果測定までをセキュアかつ効率的に行い、サービス向上につなげることが可能となった。例えば、組合員管理システムの統合にあたり、他大学生協のデータを参照できない仕組みを実装することで、大学生協ごとの組合員情報管理が可能となり、個人情報保護と組合員情報の一元管理を実現している。
また、統合運用により、年間約5億円のIT経費削減効果が見込めるため、コスト低減にもつながる見込みだという。