NECは6月20日、日本テレビ放送網とともに、同社の生放送番組「ストレイトニュース」において、自動で字幕を付与する実証を2023年5月末に実施したと発表した。

同実証は、NEC独自のAI音声認識技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービス「NEC Enhanced Speech Analysis-高性能音声解析-」を用いて実施された。同サービスの音声認識モデルにニュース番組でよく使用される地名や人名などの放送用語を事前に学習させることで、放送業界向けに特化した音声認識技術を開発し同実証で利用した。

実証の結果、NECは99.0%の認識精度を確認。従来の同社音声認識サービスでは認識精度が91.6%となり、放送業界向けに特化したことで7.4ポイントの精度向上が認められたという。

  • 「ストレイトニュース」における字幕放送の画面

    「ストレイトニュース」における字幕放送の画面

また、NECは耐騒音性が求められるスポーツ中継などでの活用を視野に、周囲の雑音やBGMによる誤認識を低減するための技術を開発した。同社内における実証では電車内騒音や野外騒音などの騒音が加わった状態でも、一般的に騒音下で利用されている音声認識と比較し最大15.9ポイント高い88.3%の認識精度を確認したという。