東急建設は6月13日、従業員のデジタルスキル・リテラシーを向上し、変革やチャレンジに向け行動できるようにするため、「東急建設デジタル人材全体像」を策定し、デジタルに特化した人材育成計画の運用を開始したことを発表した。

同社は、長期経営計画「To zero, from zero.」において「デジタル技術」と「人材」を競争優位の源泉と位置づけており、「デジタル技術」をより強固に推進するためのデジタル人材の育成を進めているという。

「東急建設デジタル人材全体像」で設定されたのは、「デジタル利活用人材」「デジタル推進人材」「デジタル専門人材」の3つ。

「デジタル利活用人材」は、社会環境・ビジネス環境の変化に対応するため、建設業にもデジタルを適用していく必要があることから設定されたもの。職種や勤務体系に関わらず全従業員が対象で、3年後までに全従業員への波及を目指す。

従業員一人ひとりが自分事と捉え、IT・DXの基礎やツールの利活用についてスキルアップし、変革やチャレンジに向け行動できるようになることを目標としている。

Lv1でデジタルを取り入れるマインドや基礎的なPC・ITスキル、Lv2でツールの利活用や自身の業務課題改善のための基礎的なデジタル知識、Lv3でビジネスマンとして必要なデジタル知識(ITパスポート試験相当)を習得することで、事務作業時間短縮や本業業務の最適化を行い、自組織の生産性向上を目指すという。

デジタル利活用人材の次のステップとして定義される「デジタル推進人材」は、各事業領域への理解の高い人材を対象とし、担当領域のDXを牽引する役割を担う。

データ分析による課題特定・解決に取り組む「データアナリスト」、部門の業務効率化や顧客への新たな価値提供に向けたDX企画を行う「DXプランナー」、デジタル技術の目利きからツール・システム導入を推進する「テックリーダー」の3つを役割として定義している。初年度の対象は100名程度で、それぞれ応用的なデジタルスキルを習得し、事業領域の業務改革や付加価値創出の実現に向け活動するという。

「デジタル専門人材」は、デジタルを専門とする部署に所属する人材を対象とし、さらにデジタルに関する専門知識を身に付け、全社横断的なDXに取り組むことを目指す。

データサイエンスやDX戦略・推進、デジタル技術導入に取り組み、「東急建設のDX」を実現に導く役割を果たすほか、「デジタル推進人材」と対応するように、データ・DX・デジタル技術の分野に関するスキルを習得することで、事業領域のDX施策進行の支援体制を構築したい考え。

なお、従業員の積極的な学びを後押しするため、各人材のカリキュラムは全従業員に公開しており、職種や勤務体系に関係なく挑戦することもできるという。