食品卸売業の日本アクセスは6月2日、富士通が開発した「Fujitsu買掛照合AIサービス」を取引メーカーとの買掛照合業務の効率化を目的に導入し、2023年4月から運用を開始していることを明らかにした。日本アクセスは同サービスを利用して、2025年までに年間約1万2000時間の削減を目指すとのことだ。

富士通が開発したFujitsu買掛照合AIサービスは、SaaS(Software as a Service)型で提供するAI(Artificial Intelligence:人工知能)サービス。AIが過去の照合実績から商品名や届け先名などを学習し、明細単位で各社の請求データと自社台帳データを照合する。照合された明細に対しては、一致するデータのパターンによって照合結果の正確性を示す消込確度を提示するという。

  • 「買掛照合AIサービス」の概要

    「買掛照合AIサービス」の概要

消込確度の高い明細は「確度A」、消込確度の低い明細は「確度E」のように重み付けをすることで、消込確度の高い明細は手作業での照合を簡素化し、確度の低い明細に対して重点的に確認を行うなど、業務の効率化を支援する。照合ミスなどのヒューマンエラー削減にもつながり、スタッフの心理的負担の軽減にも寄与するとしている。

両社がすでに数カ月間実施したトライアル導入の結果、スタッフ稼働時間の削減効果が確認できたため、本格的な運用に至ったという。日本アクセスは今後は約2年間の移行期間で、約600社の取引メーカーの買掛照合業務において同サービスを利用する予定だ。