ガートナージャパン(Gartner)は5月30日、デジタル・ワーカーの47%が、無秩序にアプリケーションを導入することで、仕事に必要な情報やデータを見つけることに苦心しているという調査結果を発表した。

  • 無秩序なアプリケーションの増加による影響(回答者の割合)

    無秩序なアプリケーションの増加による影響(回答者の割合)

このレポートは2022年9~11月、米国、英国、インド、中国の従業員100人以上の組織において、デジタル・テクノロジを業務に使用している従業員4,861人を対象に実施した調査結果に基づく。

調査によると、デスク・ワーカーの1人当たりの平均使用アプリケーション数は11個と、2019年の6個から増加。回答者の40%が平均数を上回るアプリケーションを使用しており、5%は26個以上のアプリケーションを業務に使用。回答者の66%が「アプリケーションやデバイスによって、より良いビジネス成果が実現できる」という意見に同意している。

一方で、無秩序にアプリケーションを導入することにより、「デジタル・ワーカーが情報を見つけるのに苦労する」(47%)、「認識不足によって誤った意思決定を下す」(32%)、「無関係な通知を受け取る」(45%)、「ノイズに紛れて重要な更新を見逃す」(36%)といった結果につながると回答した。

シニア ディレクター アナリストのTori Paulman氏は、次のように述べている。「ワークプレースに情報やアプリケーションが溢れかえる中で、従業員は本当に必要な情報を見つけることに苦心しています。デジタル・ワークプレース・リーダーは、情報ストアやアプリケーションの数と種類をやみくもに増やすのではなく、従業員が共通的に使用するアプリケーションについて合意できるようなプロセスを策定することで、こうした状態に歯止めをかける必要があります」

新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、従業員の生産性をモニタリングするツールへの関心が高まっているが、従業員を監視する目的で同ツールを使用すると不信感と反感を買うことになる。

しかし、トレーニングやキャリア開発の機会となる(34%)、仕事に必要な情報を見つけやすくなる(33%)、自分のコンピュータやアプリケーションに問題が生じたときにITサポート部門から積極的な支援が得られる(30%)といったメリットが1つでもあれば、デジタル・ワーカーの96%はモニタリングを積極的に受け入れると回答している。

また、従業員はテクノロジに関する課題解決を社内のITサポート部門に対する電話、チャット、電子メールで解決しようとするが、2023年の調査では2020年の状況から変化し、今ではインターネットで回答を得る、同僚に尋ねるなどの方法での解決も好むようになっているという。これは、従業員がよりスピーディな問題解決を求めていることの表れだと同社はみている。