ソリトンシステムズは5月21日、産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、三菱電機と共同で開発を進めてきた自動運転システムに関して、福井県永平寺町において遠隔監視の下で自動運転レベル4の運行サービス(道路交通法に基づく特定自動運行)を開始した。同社によると、同様のサービスは国内初とのこと。

  • 自動運転システム搭載車両

  • 遠隔センター

同システムは、経済産業省から4者が2021年度から開発を受託しているもの。

ソリトンは主として、自動運転車両の装置や周辺の状況、乗客等の状態を遠隔センターにおいて監視し、異常等発生時には車両内外との通話を含め必要な措置を取るための遠隔システム、および車両と遠隔センター間の基盤となる通信システムの開発を担当している。

道路交通法では、自動運転レベル4に相当する特定自動運行の実施には、遠隔でのオペレータ(特定自動運行主任者)による車両内外状況の鮮明な映像、明瞭な音声通信による監視と、異常時などにおける速やかな対応を義務付けている。

今回開発の遠隔監視システムでは、1人の遠隔オペレータが、必要に応じて標準で最大4台の自動運転車を監視できる。さらに、複数車両の運行管理制御を行う管制システムとシステム連動することで、効率的かつ的確な監視と、異常発生時における安全確保その他必要となる措置の迅速化を図っているとのことだ。

  • システム構成図

また、車両と遠隔センター間の通信システム(映像、音声、データの各通信)は、一般のモバイルLTE/4G 3回線を利用した多重接続およびクラウド方式の構成により、高品質、高安定の通信を確保し、加えて映像通信の短遅延化を実現した。

通信リソースの削減と低コスト化を狙い、自動運転車が正常な時には、当該通信の帯域を自動的に大きく低減させているという。

同社は、今回開発した遠隔・通信の両システムをベースに、大型バスやトラックなど多様な車種への適用のための汎用化と、遠隔運転操作機能のさらなる高度化を図り、今後、公道や閉空間エリアで全国規模での拡大が予想される自動運転サービスへの展開を目指していく。