「氷感冷蔵庫」を導入している鮨店「徳次郎」を訪問

「氷感冷蔵庫」は、千葉市中央区の鮨店「徳次郎」にて現在テスト導入が行われている。食材の鮮度が重要な鮨店の厳しいプロの目は、「氷感冷蔵庫」をどのように評価しているのだろうか。

「徳次郎」の店主である馬場克明氏は、開口一番「性能としてはすこぶる良い」と評価。同氏は、メリットとして第一に「鮮度の持ち」を挙げた。「普段は使わない養殖物のマグロで試したところ、通常であれば翌日にも変色するような品が、一週間経っても問題なかった」とのことで、「熟成も遅く、ゆっくり熟成するので、味がずっと良い状態で保てる」と同氏は語る。

  • 「徳次郎」の板場に立つ馬場克明氏

普段からフードロスを避けるため、仕入れには気を使っているという馬場氏だが、氷感冷蔵庫であれば、多少余裕を持った仕入れができるので、特に価格の変動が激しいウニなどを保存する際は非常に助かるという。

実際、氷感冷蔵庫で長期間にわたって保冷した食材を試させてもらったところ、「言われないとわからないし、言われてもわからない」レベルの差しか感じられなかった。

  • 3日目のサバ(上)と保存から一週間経ったサバ(下)。意識しなければほとんど違いはわからない

  • フルーツもまったく鮮度落ちは感じられない

気になる電気代もほとんど変わっていないとのことで、「多少増えても、この性能であれば問題ない」と、馬場氏は太鼓判を押す。「日持ちする、味はいい、解凍の手間がない。本当に良いことしかない」と称賛しつつ、「(店が狭いので)コンパクトなサイズのタイプの氷感冷蔵庫があれば嬉しい」と笑顔を見せていた。

今後は展示品を増やし、新規のビジネスの創出を

オープンしたばかりだが、反響も大きく、県内での期待も高まっているという「Chiba Mini NTTe-City Labo」。今後はもっと展示品を増やし、新しいビジネスのきっかけを作っていきたいという上栗氏。

「ただ、見ていただくことだけが目的ではなく、これを使ってもっと何かできないかという話が進められる場にしたいと思っています。現時点では実現できないことも含めて、どうすればプラスの価値が生まれるかを地域の皆さんと一緒に考えて、コミュニケーションを重ねながら、実現できる場にしたい」と、上栗氏は今後の展望を語った。

「将来的にはイノベーションの拠点にしたい。ここに来れば着想が得られ、それを実現するための取り組みができる。極論で言えば、NTT東日本が絡まなくても、地域のいろいろな方が集まって、ここを中心にして、新しい着想や新しいビジネスが生まれる。そんな拠点にしていきたいと思っています」(上栗氏)

現在は、社内の会議室を改装した空間でしかないが、将来的には、地域の産業や特性に応じた適切なソリューションや取り組みやを体感することが可能なフィールドとして作り込んでいくとのこと。

「Chiba Mini NTTe-city Labo」は展示ではなく、それをきっかけに話すことが目的という上栗氏。さらに、「今後は、もっと人が集まりやすい環境で、展示品も増やし、“Labo”という名にふさわしいスペースを構築していきたい」とあらためて将来像を示してくれた。

  • 現在は展示品4点と机と椅子だけのスペース。今後の発展に注目したい