ライオンは4月24日、6~12歳の児童を対象として、一般のグミとサイズが大きく弾力と硬さを有する扁平形状グミ(以下「硬性グミ」)の摂取による口腔機能への影響を調査し、硬性グミを1日2枚、4週間摂取することで、咀嚼力・口唇閉鎖力・咬合力といった口腔機能が向上する可能性を確認したと発表した。
同成果は、ライオンと、日本大学 松戸歯学部 歯科矯正学講座の根岸慎一教授との共同研究チームによるもの。
学童期における口腔機能の適切な発達は、正常な咬合・歯列形成において非常に重要だ。特に、よく噛むことで口まわりのさまざまな筋肉が使われ、顎が発達し、永久歯がきれいに並ぶ土台づくりにつながるともいわれている。しかし、口腔機能の発達をサポートするための方法は、定期的な専門外来への通院が必要な場合や、トレーニング感が強いものが多く、手軽に継続できる方法は限られているという。
そこでライオンは、子どもの嗜好性が高く、口腔機能の向上が期待できる物性として、グミに着目。学童期の児童を対象とし、硬性グミの摂取による口腔機能への影響を検討したとする。
今回の実験は、6歳~12歳の健康な児童26名(男児10名・女児16名)が参加。椅子に座った状態で、硬性グミを左右の歯で均等によく噛み、2枚を連続して摂取する行動が、1日1回ずつ、合計4週間にわたって実施された。そして硬性グミ摂取前後に、咀嚼力(食べ物を噛み切る・砕く・混ぜる力)、口唇閉鎖力(口を閉じる力)、咬合力(奥歯で噛みしめる力)といった口腔機能を測定し、同時に口腔機能に関する質問などのアンケート調査を、試験対象児童の保護者に対して実施した。
これらのデータから口腔機能の変化を解析した結果、グミの摂取前と比較して、摂取後には咀嚼力、口唇閉鎖力、咬合力がそれぞれ向上する可能性が確認されたという。
一般的に、硬く弾力のある食品を左右の歯でバランス良く噛むことが、口腔機能の適切な発達に重要であるといわれている。今回の試験では、硬性グミを4週間継続摂取したことでバランス良く噛む習慣がつき、咀嚼力などの能力が向上したと考えられるとしている。
またアンケート調査に関しては、半数以上の保護者が「左右バランス良く両側の歯で噛むようになった」、「食事中、口を閉じて食べるようになった」と食べ方の変化を実感していることが確認された。また、「“1日1回グミを食べる”という習慣化をきっかけに、毎日何かを続けることの大切さを知る機会になった」というコメントも得られたとのことだ。
ライオンは今後も、口を起点とした人々の健康増進への貢献を目指していくとしている。