インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月20日、FX事業者向けに提供している金融取引プラットフォームである「IIJ Raptorサービス」を拡充し、FXサービスで日々蓄積するデータを集約し、可視化・解析することで、収益向上につながる施策を創出するという「Raptorデータ解析ソリューション」を提供開始した。

  • Raptorデータ解析ソリューションのイメージ

店頭FX事業者は通常、顧客の取引が発生する際に為替変動リスクを回避するため、銀行や証券会社が参加するインターバンク市場に対して同様の取引(カバー取引)を行っているが、指標発表や要人発言などによる相場急変時には、従来方式では十分にリスクを回避できないといった課題があったという。

そこで同社は、蓄積した投資家の取引データやFX事業者自身の金融取引(ディーリング)のデータを可視化・解析し、最適なカバー取引を実現する新ソリューションを開発し提供開始した。

同ソリューションの利用によりFX事業者は、ディーリングにおけるリスク回避・収益向上を期待でき、結果として得られた収益を投資家への還元に充てるなど、より一層競争力を向上させられるという。

  • ダッシュボードのイメージ

同ソリューションでは、「ダッシュボード」「ディーリングシミュレーター」「アルゴリズムトレード」の3つのコンポーネントと、「解析レポート」による現状分析・施策提案を行うディーリング・コンサルティング・サービスを用意。

ダッシュボードには、取引やディーリングに関わるデータをリアルタイムで可視化し表示する。市場の状況や配信レート、カバー・レートなどをリアルタイムで確認、比較が可能。

ディーリングシミュレーターは、データ解析によって、考案した施策を適用した場合に収益にどういった影響を及ぼすのかといった、施策の検証に利用可能なシミュレーション環境。収益への影響を検証した上で、本番環境に適用できるとのこと。

アルゴリズムトレードでは、過去の相場やディーリング取引における収益などといった取引データを学習し、アルゴリズムを用いて動的に設定を変化させ、最適なタイミングでカバー指示を出すことが可能という。

解析レポートは、同社のアナリストがダッシュボードやシミュレーターを利用したコンサルティングを実施し、結果をまとめるもので、その後の施策提案を行うとのこと。