Googleが5月にもまったく新しい検索サービスを発表するかもしれない。プロジェクト名は「Magi」、対話形式でユーザーの質問に答えたり、コード作成を支援したり、広告も表示されるようだ。

ジェネレーティブAI「ChatGPT」の登場は、検索分野に大きな衝撃を与えた。ChatGPTの開発元であるOpenAIと提携するMicrosoftが「Bing」に統合し、話題となった。長年、検索分野で君臨してきたのはGoogleだが、検索分野の勢力図が塗り替わる可能性があると見る向きも少なくない。

対するGoogleもChatGPT対抗の「Google Bard」を発表しているが、Magiは「検索体験を再構築する」ようなまったく新しい検索エンジンだという。

これまで以上にパーソナライズされた体験を提供し、ユーザーに先んじてニーズを汲み取ることを目指しているとのこと。デザイナーとエンジニア、それに幹部が作業にあたっており、プロジェクトに近い人物によると160人以上の社員が関わっているという。

Googleの重要な収益である広告については、Magiでは検索結果の中に広告が入るという。例として、フライト予約、靴を購入するなど購入につながるかもしれない検索については、結果のページに広告が表示されるという。

4月に入り、一部社員にMagiの機能をテストしているとのことで、計画を記した書類によると、5月にMagiを一般公開するとのこと。Googleは毎年、5月に「Google I/O」を開催するが、今年は5月10日に予定されている。

一連の報道は、Google内部のメッセージを確認したというNew York Timesが4月15日付で報じている。

New York Timesは合わせて、スマートフォンOS「Android」を通じて長年良好な関係にあるSamsungが、Google検索に代わってBingを検討しているという情報が3月にGoogleに入り、「パニック」を受けたことも報じている。

同紙によると、Samsungとの契約を通じ、Googleは年30億ドルの売り上げを得ていたとのこと。また、今年更新を迎えるAppleとは、200億ドル規模の売り上げをもたらしているようだ。このような外部環境の変化を受けて、Magiを急ピッチで進めているようだ。

New York Timesの問い合わせに対し、Googleの広報担当は「すべてのブレインストーミングや製品アイデアが発売につながるわけではない」と釘を刺しながら、「AIを活用した新しい機能を検索にもたらすことにワクワクしている。近いうちに詳細を伝えられるだろう」とコメントしている。