東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンク、日建設計の4社は4月17日、ロボットのスムーズな運行を可能にするロボットフレンドリー(ロボフレ)な環境の構築に向けた調査研究として、ロボットの運用に影響を与える課題の整理、および施設・人・ロボットの観点における対策案を取りまとめたことを発表した。
この取り組みは、経済産業省による補助事業「令和4年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の一環として採択され、4社共同で実施したもの。
今回実施した調査研究事業では、東急不動産が管理・運営する東京ポートシティ竹芝オフィスタワーを対象に、令和3年度の同事業で提案された評価指標「ロボフレレベル」を評価基準としてロボフレの実現に向けた課題整理を行い、各課題に対してロボットの導入を推進する対策の選択肢を検討した。
具体的な対策の検証では、課題については点字ブロックや光の反射への対応といった建築上のもの、曲がり角や混雑する通路などで人と接触するといった運用上のものに大きく整理したという。こうした課題への対策案は、たとえば段差の解消やスペースの確保など施設側、警笛やルート設定の調整といったロボット側、走行エリアの制限や運用ルールの設定など人(運用)側の各観点で、採用のしやすさを踏まえた評価を行い、対策方針も含めて一覧化した。
特に、運用に関する「人とロボットの共存実現」が大きな課題であったが、曲がり角における人とロボットの衝突を避ける実証実験なども行い、効果的な対策案も確認できたということだ。複数の観点から対策案をまとめることで、物理環境を変更しづらい既存の建物でもロボットの導入の検討を促進するとしている。
今後、この取り組みをさらに進め、ガイドラインなどを策定することで、ロボットの導入時における費用対効果の向上や導入ハードルの低下などが期待できるとしている。同時にロボフレなビルの仕様や運用について標準化を進めることも重要だとし、4社は今後もロボフレな環境構築の実現に向けた取り組みを進めていくとしている。