Intelのファウンドリ部門である「Intel Foundry Services(IFS)とArmは4月12日、Armの顧客がIntel 18Aプロセス技術を用いてSoCを開発できるようにする複数世代にわたる契約を発表した。

今回の協業は初期段階として、モバイルSoCの設計に重点を置いて進められるが、将来的には車載、IoT、データセンター、航空宇宙、官公庁など各種用途への設計拡張も視野に入れているという。また、Armの各種技術を活用して次世代モバイルSoCを設計する顧客企業各社は、米国および欧州のIFSのファブにて提供されるIntel 18Aプロセスを用いることができるようになり、Intelでは、今回のコラボレーションを通して、クラス最高のCPU IPとオープンなシステムファウンドリの活用を希望するすべてのファブレス企業に対し、最先端プロセス技術に基づく新たな選択肢とアプローチを広く提供していきたいとしている。

一方のArmも、今回の協業を通じて世界を一変させるArmベースの次世代製品を提供するにあたり、IFSがArmの顧客にとって重要なファウンドリパートナーとなると説明。両社のコラボレーションにより、ArmベースCPUコアのモバイルSoC設計に従事するファウンドリ顧客にとって、よりバランスの取れたグローバルなサプライチェーンが実現するとしている。

また、両社が実施する設計技術共同最適化(DTCO)では、チップ設計とプロセス技術をともに最適化することで、Intel 18Aプロセス技術を対象とするArmコアのPPAC(消費電力、パフォーマンス、実装面積、コスト)を向上させることが可能になるとしている。

なお、Intel 18Aプロセスは、最適な電力供給を実現するPowerViaならびに最適なパフォーマンスと消費電力を実現するRibbonFETゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタ・アーキテクチャを採用する予定で、IFSとArmでは、モバイル参照設計を開発することで、ファウンドリ顧客を対象に、ソフトウェアとシステムの知識のデモンストレーションを実現するとしているほか、DTCOからシステム技術共同最適化(STCO)への進化に伴い、アプリケーション、ソフトウェア、パッケージ、シリコンの各分野でプラットフォームの最適化を共同で行い、Intel独自のオープンなシステムファウンドリモデルを活用していくとしている。