英国の富豪であるRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏のVirgin Group(ヴァージン・グループ)傘下にある宇宙ベンチャーのVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)は4月3日、米国で破産申請を行った。
ヴァージン・オービットは、Branson氏の宇宙旅行企業Vであるirgin Galacticからのスピンオフとして、2017年に設立されたロケットベンチャー。
同じVirgin GroupのVirgin Atlanticが保有していたBoeing 747を改良した「Cosmic Girl」を発射プラットフォームとし、空中発射ロケット「Lancher One」を発射する。
米カリフォルニア州に拠点を持ち、2022年1月にNasdaq上場を果たしている。2021年に初めて衛星の軌道投入に成功、これまで33基の衛星を正確な軌道に乗せることに成功していたという。
一方で、1月に英国から初となる衛星打ち上げに失敗していた。BBCによると、元Virgin Galacticの社長Will Whitehorn氏は、英国での打ち上げ失敗後に新たな資金調達を模索していたところにSilicon Valley Bank(SVB)が破綻したことで、さらなる打撃を受けたと述べている。
3月30日付で米証券取引書委員会に提出した書類では、従業員約750人のうちの85%を削減することを明らかにしていた。3日のプレスリリースは「現在のランレートで事業を継続するのに十分な資本調達が難しい」と記している。
同社は連邦倒産法第11章の適用を申請しており、今後のプロセスと事業の保護のために、Virgin Investmentsより3,160万ドルのDIP(Debtor in Possession)ファイナンスを受けるコミットを得ているという。
なお、プレスリリースでは「顧客、ベンダー、従業員に我々の将来について明確な情報を提供するために、売却プロセスを速やかに完了させることにフォーカスする」と記している。