日本マイクロソフトは3月14日、Microsoft 365やMicrosoft Teamsの最新情報を紹介するユーザー向けイベント「Microsoft 365 & Teams Day 2023 ~ハイブリッドワークの進化と“Do More with Less”とは~」をハイブリッドで開催した。
本記事では、「Microsoft Teams 最新情報! Teams RoomsとTeams電話で実現する、進化するハイブリッドワーク」と題したセッションで明かされた、Teamsの最新動向や新機能を紹介する。
2023年夏にTeams Premiumで4つのAI機能を提供予定
セッションの冒頭ではMicrosoft Teamsの利用動向が紹介された。Teamsの月間アクティブユーザー数は、全世界で2億8000万人(2023年1月24日時点)にまで達しており、Teams上でサードパーティツールを使用するユーザー企業(Teamsアプリ使用ユーザーが1万人以上)も2022年比で40パーセントも増加したという。また、2022年には450以上の新機能がTeamsでリリースされた。
2022年2月には、Teamsの新しいサブスクリプションとなる「Teams Premium」の提供が開始した。
Teams Premiumでは、ブランディング向けの会議のカスタマイズ機能やオンライン面談機能が追加され、参加者ビュー管理など大規模ウェビナー向けの機能が強化された。また、レコーディング可能ユーザーの制限や、チャットのコピー&ペースト防止などセキュリティ機能も強化されている。
今後はOpenAIのGPT-3.5を活用したAI関連機能を追加していくという。2023年の夏にはチャプターの自動生成、主要イベント表示、スピーカー検索、AIによるタスク自動作成と、会議業務を自動化・省力化する4つの新機能を提供する予定だ。
日本マイクロソフト モダンワークビジネス本部 GTMマネージャーの影山三朗氏は、「Teams Premiumには、さまざまな企業から要望が多かった機能を実装している。管理者がMicrosoft 365管理センターからユーザーに付与可能な試用版ライセンスを提供しているので、一度利用してみてほしい」と述べた。
シスコのビデオ端末では、AI活用したノイズ除去や画角自動調整が可能
同セッションでは、Teamsの注力領域として、Teams RoomsとTeams電話が紹介された。
Teams Roomsは、PC・カメラ・マイク・スピーカーなどのデバイスと、専用のTeamsアプリで構成されるハイブリッドミーティングソリューションだ。
Teams電話はクラウドベースの電話システムで、PCやスマートフォンのTeams上で企業の電話番号を利用できるサービスだ。PSTN(Public Switched Telephone Network)またはインターネット接続を介して音声およびビデオ通話を受発信できる。
2022年10月には、米シスコシステムズがTeams Roomsのデバイスパートナーに加わったことが発表された。
今後は2023年3~4月にかけて、卓上向けデバイスや会議室向けデバイスなど、6つのビデオ端末がTeams Roomsの認定取得端末としてリリースされる予定だ。
シスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 パートナー営業部の粕谷一範氏は、「すでに、4K対応のインテリジェントUSBウェブカメラや、1クリックでTeamsに接続できる専用ボタンを備えたヘッドフォンを提供している。高品質な音声と映像、対面の没入感と併せて、誰でも利用できるシンプルな操作性でハイブリッドワークを支援したい」と語った。
今回のセッションでは、粕谷氏によってTeams Roomsで利用可能な同社のビデオ端末のAI機能も紹介された。
1つ目がインテリジェント・オーディオだ。同機能では、人の話す声の波長と、それ以外の音の波長をAIが認識・区別することで、紙の資料をめくる音や会議参加者の周囲の雑音などを除去することが可能だ。
2つ目がインテリジェント・カメラビューだ。同機能では、会議参加者の増減や移動に合わせて、カメラの画角を最適なサイズに調整(フレーミング)することができる。同機能で利用するAIは、会議参加者の顔を常に認識しており、会議で発言した人物を自動的に追尾してアップで画面に映すことも可能だという。