マニュアル作成・共有システムである「Teachme Biz」を提供するスタディストは3月6日、2022年に現在の勤め先へ入社した18~27歳の男女新入社員に対して実施した、育成に関する調査結果を発表した。これによると、約8割が対面での育成や指導を希望しているという。
同調査は同社が2月10日~13日にかけて、2022年に新卒または中途で現在の勤め先に入社した全国の18~27歳の男女を対象に実施したものであり、有効回答者数は1089人。うち新卒が588人、中途が501人。
育成や指導を受ける際に希望するコミュニケーション手段を尋ねると、対面(オフラインで直接)が76.9%で最も多い。以下、オンライン・ミーティング(MTG、23.8%)、SlackやTeamsなどのチャット(22.5%)が続いた。1位の項目と2位には50ポイント以上の差があることから、対面での育成や指導を希望している新入社員が圧倒的に多いと同社はみる。
シーンごとに最も希望するコミュニケーション手段を質問したところ。対面希望では「ポジティブなフィードバック」と「トラブル発生時」がいずれも59%で最も多い。ネガティブなフィードバックは、ポジティブなフィードバックに比べて対面希望が12ポイント低く、また休暇などの連絡では、対面希望が他のシーンと比べて20~30ポイント以上低い。
「資料やマニュアルの確認のみで良い」が1割を超えたのは、「ネガティブなフィードバック」(14%)、「業務手順を学ぶ」(13%)、「仕事の考え方を学ぶ」(12%)、「雑談などの業務外の話」(10%)であり、コミュニケーションを希望していない層が一定いると同社は分析する。
入社から1年以内に勤務先の企業で受けたことがある研修を聞くと、最多は「対面の集合研修」(47.5%)であり、以下「オンライン研修(リアルタイム参加)」(39.3%)、「OJT(1対1の研修)」(25.2%)の順だった。
研修を受けたことがある人に教わってよかったものを尋ねたところ、「社内ルールの理解」(55.3%)、「基本的なビジネスマナー」(55.2%)、「実際の業務の進め方」(51.3%)が上位に並ぶ。
受けた研修が実務の役に立ったかとの質問には、7割が「受けた研修が実務の役に立ったと思う」(とてもそう思う:24.7%、そう思う:45.4%)と回答した。
業務上の疑問を解消する際に困ったことを尋ねると、「先輩が忙しくて、声がかけづらい」(34.9%)が最も多く、以下「教える人によって言っていることが違う」(33.2%)、「マニュアルがない/ある場所がわからない」(28.6%)が続く。
「先輩が忙しくて、声がかけづらい」「相談先がわからない」「在宅勤務のため相談のタイミングを判断できない」を挙げた回答者に、その解決に役に立ったものを聞いたところ、「わかりやすい業務マニュアル」が最多だった。
業務マニュアルは実務の習得に役立つかを尋ねると、「役に立つと思う」との回答が60.1%(とてもそう思う:18.8%、そう思う:41.3%)を占める。
同社取締役副社長の庄司啓太郎氏は、「すべての育成・指導で対面のコミュニケーションが必要ではないことを理解した上で、対面と非対面を組み合わせた従業員のスキルやモチベーション・アップにつながる育成プランの重要性が増しています」と指摘している。