YE DIGITAL(YEデジタル)は28日、畜産業向けに巨大飼料タンクにセンサーを設置し、タンク内飼料の残量管理をクラウドで行うサービス「Milfee」を携帯電話回線が弱い地域でも利用できるLoRa親子通信モデルを開発、3月より提供することを発表した。
畜産業は敷地面積や匂いなど必要とされる環境により人里離れた土地で行われることが多く、中には携帯電話回線(LTE電波)がつながらないケースもあり課題となっていた。それらの課題をLoRa親子通信を使って、インターネット接続済みの事務所に「親機」、飼料タンクに「子機」を設置し、相互通信を行うことで解決している。
LoRa通信はLPWA(Low Power Wide Area:低電力ワイドエリア)通信の一種で、微弱な信号でも通信が可能で低消費電力で長距離通信にも対応。見通しのよい場所なら数10km程度の通信が可能な通信距離、任意の場所に親機である基地局を設置できる自由度、低消費電力なのでセンサー子機の電源の電池化が可能で新たな電気工事が不用になるなどメリットも多く、本案件で採用。携帯電話回線がつながりにくい12の農場でシステムの実証実験を行っており、農場で200から400m程度での通信を確認している。同社では初年度3000台を目標に販売していくという。
「Milfee」は、タンクに取付けたセンサー搭載の端末からLTE-M回線により、クラウドにデータを送信し、タンク残量確認と原料の調達、製造時期の最適化を一括管理できる飼料タンク残量管理システム。4mから6mある飼料用巨大タンクに登っての目視確認作業が不用になり、目に頼らない正確な計測も可能で、2022年4月のリリースから12月の時点で162の農場で利用されている。