ディーカレットDCPは2月27日、同社が事務局を務めるデジタル通貨フォーラムの、電力取引分科会 サブグループAが、公道を実走するバスの乗車運賃の決済に電力Peer to Peer(P2P)プラットフォームでの環境価値の取引経過を記録するというデジタル通貨であるDCJPY(仮称)を使用した実証実験を3月9日に行うと発表した。

  • 実証実験の実施イメージ

デジタル通貨フォーラム電力取引分科会は、「電力・環境ビジネスへのデジタル通貨適用とその評価」を軸に、電力売買に伴う決済にデジタル通貨を使用することで、グリーン電力の利用証明や再生可能エネルギーを利用した新たなサービスなどの検討を行っているという。

この取り組みの一環として電力取引分科会サブグループAでは、2022年にDCJPYによる模擬電力・環境価値取引の精算に加え、電力売買で受け取った模擬デジタル通貨を小売店舗での決済で使用する実証実験を行ったとのこと。

今回発表した実証実験の目的は、バスの乗車運賃の決済に環境価値の取引経過を記録するDCJPYを使うことで、ユーザーが保有する環境価値の公共交通機関(バス会社)への移転を実証すると共に、環境価値がバス利用の対価になりうることを明確にすることだという。

これにより、ブロックチェーン技術を利用したデジタル通貨の活用領域の拡大と、環境価値の2次流通に向けた今後の可能性を検証していくとしている。

  • 決済システムのイメージ

  • 実証実験で使用するバスのイメージ

実証実験の実施日は3月9日の予定。実験走行ルートは大阪府茨木市内の行動であり、実験に参加するモニターが乗降するが一般客は乗車できないとのこと。

実証実験に参加する企業は、電力取引分科会 サブグループAに所属する関西電力(幹事)、インターネットイニシアティブ(IIJ)、中部電力、阪急阪神ホールディングス、ローソン、ディーカレットDCP(事務局)。協力企業は阪急バス。