東京商工リサーチは2月20日、2023年度「賃上げに関するアンケート」調査(第2回)の結果を発表した。同調査は2023年2月1日~8日にインターネットによって実施し、有効回答4,465社を集計・分析したもの。
調査の結果、2023年度の春闘で、賃上げを実施予定の企業はは80.6%(3,333社)であることがわかった。今年度(2022年度)の実施企業は82.5%で、2年連続で8割台に乗ったことになる。
規模別では、「実施する」は大企業の85.5%(478社中、409社)に対し、中小企業は80.0%(3,653社中、2,924社)で、5.5ポイントの差がついたという。
「実施する」と回答した企業を産業別に分析したところ、最高は、製造業の85.9%(1,319社中、1,134社)だった。これに、卸売業81.8%(931社中、762社)、建設業81.2%(511社中、415社)、情報通信業80.4%(235社中、189社)と続いている。上位4産業は「実施する」の割合が8割を超えたとのこと。
同社は、物価上昇分の価格転嫁が難しく、体力の乏しい中小企業は収益力が低下しており、そうした企業は、求人難でも賃上げを実施できない苦境が浮き彫りになったとの見解を示している。