OpenAIが開発したAIチャットサービスの「ChatGPT」は、2022年11月に公開されて以来、世界中で大きな話題となっている。OpenAIへの投資を続けるMicrosoftは、このChatGPTのAI技術を同社の検索エンジン「Bing」に統合する計画を進めていると伝えられている。Microsoftは、まだ新しいBingについて何も正式な発表を行っていないが、学生デザイナーのOwen Yin氏がこのほど、WebメディアのMediumに「Scoop: Oh the Things You’ll Do with Bing’s ChatGPT」を投稿し、そのプレビュー版とされるユーザーインタフェースの一部を公開した。
ChatGPTは、自然言語のテキストで入力された質問に対して、AIが独自のテキストを生成して返答してくれるチャット型のサービス。OpenAIが開発した「GPT-3.5」と呼ばれる自然言語モデルの派生モデルを基に構築されており、自然言語で記述された質問を理解し、極めて人間らしい返答ができる点が大きな特徴だ。
Owen Yin氏によると、ChatGPTを統合した新しいBing検索は、Weブラウザ「Microsoft Edge」でBingをホームページとして設定した際に、UIがロードされて突然利用できるようになり、その後しばらくしてまた表示されなくなったという。同氏が公開した新しいBingのスクリーンショットでは、検索バーが大きなテキストボックスに置き換えられ、最大1000文字の質問を入力することができるプロンプトになっていることを確認できる。
質問はAIによって解釈され、関連するいくつかの検索を行った上で、その要約が作成されて結果として表示されるという。また、検索結果の最後には引用元となったWebサイトのリストも表示される。現在公開されているChatGPTは2021年までに収集されたデータを元にトレーニングされたものだが、新しいBingの結果はそれ以降の新しい情報も含んでいるとのことだ。これはおそらく、GPT-3.5の後継版となる「GPT-4」が内部で利用されているからだと推測される(参考記事: Microsoft、GPT-4によって強化されたChatGPTをBingに統合か | TECH+(テックプラス))。
新しいBingの検索結果に対しては、ChatGPTと同様に会話形式で追加の質問をすることもでき、Bing自身もフォローアップのための独自の質問を返してきたという。
ChatGPTが統合されたとはいえ、従来のリスト型の検索ができなくなるわけではなさそうだ。従来の検索とチャット型の検索は、ツールバーから簡単に切り替えることができたと説明されている。
Owen Yin氏が公開した情報に関する内容も含めて、MicrosoftはBingへのChatGPTの統合に関してまだ何も正式な発表を行っていない。しかし一部の海外メディアは、Microsoftは今後数週間以内に新しいバージョンのBingを発表する予定と報じており、インターネット検索における変革の到来に期待が高まっている。