安藤ハザマとミライト・ワンは2月2日、トンネル施工における省人化と安全確保の両立を目的として、ローカル5G(第5世代移動通信システム)の品質検証および低遅延カメラによる映像処理の高速化検証を実施し、有効性を確認したことを発表した。実証は北海道新幹線、後志トンネル(天神)他工事の坑内において実施した。
実証では、ローカル5Gの移動局と基地局間の距離を200メートル、300メートル、400メートルに設定し、電波強度、スループット、遅延時間を測定した。その結果、電波強度が極端に減衰することはなく、スループットと遅延時間も良好な値であることを確認したという。
また、コニカミノルタの低遅延カメラをトンネル内に構築したローカル5G環境に接続し、高精細映像を伝送する検証も行った。その結果、カメラと映像を表示するディスプレイが400メートル離れていても、カメラの撮影からディスプレイへの表示にかかる遅延を100ミリ秒以下に抑え、4Kの高精細映像を伝送できることを確認したとのことだ。
両社は検証結果を受けて、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用したトンネル施工のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むとしている。また、他の閉鎖空間での施工にも適用する技術の開発に取り組み、2025年の実用化を目指すとしている。