誰もが一度は「生協」という言葉を耳にしたことがあるだろう。「生活協同組合」の略称であり、店舗での購買に加え近所や職場での共同購入もできる、昔ながらの地域密着型の存在だ。

そんな生協で今、本腰を入れてDXに取り組む動きがある。実際に、日本生活協同組合連合会(以下、日本生協連)では中期計画のビジョンにIT活用を掲げ、2020年にはDX推進プロジェクトを発足。幅広い分野でのDXを進めている。

今回はその中核を担う日本生活協同組合連合会事業企画・デジタル推進本部 本部長スタッフの新井田匡彦氏と、同デジタルマーケティング部 部長の峰村健史氏、そして同会のDX推進をサポートするフライウィール Business Development Managerの神門 宏明氏にお話を伺った。

  • 左から、日本生活協同組合連合会 事業企画・デジタル推進本部 デジタルマーケティング部 部長の峰村健史氏と、事業企画・デジタル推進本部 本部長スタッフの新井田匡彦氏

利用者の高齢化や、世間のDX推進の流れに危機感

生協と言えば、事前にカタログなどから注文した商品を家や職場で受け取る共同購入・宅配のスタイルを思い起こす人も多いだろう。日本生協連では1970年代から組合員がつくるグループ単位での共同購入・宅配を開始した。利用者は若い主婦層が主流だったという。その当時の利用者が現在も生協のコアユーザーだ。つまり、コアユーザーの年代は60~70代ということになる。利用者層の高齢化は連合会内でもおおよそ把握していたが、2019年に実際に全国調査を行い、「若い世代がガクッと減っている状態だと改めて痛感した」と峰村氏は言う。

「(調査結果を前に)このままで良いのか、生協も時代に合ったかたちに変えていかなければいけないのではないかという機運が生まれました」(峰村氏)

これがDX推進に向けた1つ目の流れである。2つ目の流れは、日本生協連のビジョンに関係する。同会では2020年や2030年のビジョンに「ITの活用」を掲げていた。しかし、具体的なプランはない状態だったと新井田氏は振り返る。

「ITを活用して組合員の役に立とう、という言葉はあったものの、どんなITをどういう風に使うのかという具体性はありませんでした」(新井田氏)

そこで、当時IT活用の知見があり、DX推進を積極的に支持していたコープ東北サンネット事業連合(以下、コープ東北)の常務理事・河野敏彦氏と相談し、きちんとしたリーダーを立て、組織立ったDXに取り組むこととなった。

これらの2つの流れが合流して組織化されたのが、現在のデジタル推進本部である。

生協の組織体制ならではの難しさも

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/会員登録(無料)

会員サービスの詳細はこちら