今回の実験では、R-1 EPSを添加または添加しないで培養したヒト肺由来上皮培養細胞に対し、インフルエンザウイルス(PR8株(H1N1))の感染を実施。感染後の細胞を6時間培養して細胞内ウイルス量を測定すると同時に、肺炎の原因菌の1つである黄色ブドウ球菌が、肺細胞に付着する際に利用する接着因子である「CEACAM-1」の遺伝子発現量の解析が行われたほか、感染6時間後に実際に黄色ブドウ球菌の細胞付着実験が行われ、R-1 EPSを添加したヒト肺細胞において以下の結果が得られたという。

  1. インフルエンザウイルス感染後の細胞内ウイルス量が有意に減少
  2. インフルエンザウイルス感染後のCEACAM-1の遺伝子発現量が有意に減少
  3. 黄色ブドウ球菌の細胞への付着数について減少傾向が確認された

これは、R-1 EPSはヒト肺細胞において、インフルエンザウイルスの増殖の抑制と、接着因子の1つであるCEACAM-1の発現を抑制することで黄色ブドウ球菌の細胞付着を防ぎ、インフルエンザウイルス感染後の細菌性肺炎を予防できる可能性を示唆するもので、明治では、今後もヒト試験および実験的感染モデルでの検証を通じて、免疫増強効果などを明らかにし、日常からの感染予防、健康維持増進に寄与する研究を継続していくとしている。

  • ヒト肺細胞中のインフルエンザウイルス量

    (左)ヒト肺細胞中のインフルエンザウイルス量。(中央)ヒト肺細胞のCEACAM-1発現量。(右)ヒト肺細胞に付着した黄色ブドウ球菌の数 (出所:明治Webサイト)