リモートワーク一色からハイブリッドワークの流れにある。企業の管理職の意識も変わり、リモートワークなどの柔軟な働き方がもたらすメリットを認めつつあるようだ。The Guardianの記事「Most managers believe flexible working helps productivity, UK study shows」では、英国の事情を紹介している。

コロナ禍で進んだ柔軟な働き方だが、管理職も柔軟な働き方のメリットを体感しているようだ。英バーミンガム大学、英ヨーク大学の共同プロジェクト、Equal Parenting Projectが英国の約600人の管理職を対象にした調査では、4分の3が柔軟な働き方により生産性が向上すると回答した。また、62.5%が柔軟な働き方によりモチベーションが高まると考えていることもわかったという。

柔軟な働き方の中でも、在宅勤務やフレックス制など一部の形態については、ジョブシェア、パートタイムなどよりも好意的な意見だったそうだ。

それまでは柔軟性のある働き方を非難していた管理職だが、企業側はさまざまな形態の柔軟な働き方を促進し、あわせて業務パフォーマンスの評価を変更するべきと同プロジェクトの研究者は述べているそうだ。そして、男女間の賃金格差解消対策の一環として柔軟な働き方についてレポートすること、柔軟な働き方をデフォルトにすることなどを英国の議員に提言しているという。

記事ではまた、新型コロナの前ほどプレゼンティズム(心身に不調があっても出勤し、仕事のパフォーマンスが出ないこと)が重視されなくなっている一方で、新型コロナの間に長時間労働の文化が改善されたのが、また戻りつつあることも指摘している。「成果を上げるために長時間働く必要がある」と回答する管理職は、2019年の43%から2021年には35.2%に減少したのに、2022年には上昇し41.9%になったそうだ。

リモートとオフィスを組み合わせたハイブリッドワークについても調べている。「従業員が週4日以上出勤することは期待していない」という管理職は69.3%、これは2021年の59%から10ポイントの増加となる。「週1日出社」も、2021年の10.5%から、2022年には20.4%に増えている。このような管理職の意識の変化は、子供をもつ人や女性には特にウェルカムだろう。そして、企業の中には、自社がこのような柔軟な働き方ができることをアピールしているところも少なくないという。

一方で、調査からは目の前にいない部下に対して監視が強まっていることも浮き彫りになったようだ。管理職の約3分の1が、監視ソフトウェアを使用したり、電子メールを監視していると述べたという。5分の4は、(このような行為は)企業が自社の社員を信頼していないことを示唆するものであると認め、3分の2近くが何らかの監視手法を用いることが、自分のストレスレベルを増加させていると述べているそうだ。

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