KDDIとPsychic VR Labは1月10日、つくばセンター広場(茨城県 つくば市)において体験型のXR(ARやVRなどの総称)コンテンツを配信する取り組みを、同日から3月31日まで実施することを発表した。スマートフォンやデジタルサイネージを通じて「50年後の未来都市」をコンセプトとしたXRコンテンツを視聴できる。

つくば市は2022年4月に「スーパーシティ型国家戦略特区」に指定されており、規制改革などを伴ったデータ連携や先端的サービスを目指して、移動、物流、医療、介護、子育てなどさまざまな分野での地域課題解決を進めている。

スーパーシティには、デジタルを通じて地域の個性を生かしながら地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現するという「デジタル田園都市国家構想」の先導が期待されているという。

KDDIとPsychic VR Labはこの取り組みを通じて、都市連動型空間メディアの構築や、XRテクノロジーを用いた新たなメディアとユーザーインタフェースを社会実装するための、制度とルールの検討を進めるとしている。

  • 体験型XRコンテンツの例

    体験型XRコンテンツの例

具体的な取り組みの第一弾として、スマートフォン向けにKDDIが提供するアプリ「5G XR VIEWER SATCH X powered by STYLY」(以下、SATCH X) やデジタルサイネージを通じて、「50年後の未来都市」をコンセプトとした体験型XRコンテンツを配信する。

地上ではドローンや自動配送ロボットが運行し近未来的な建造物が緑と調和して立ち並ぶ姿、広場の地面では地下空間を活用した物流網が広がる姿が見られるようだ。今後はこの取り組みに加えて、ドローンの飛行経路を可視化した「空の道」や、学生が制作したNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)デジタルアート作品のXRコンテンツも追加予定だ。

両者は今回の取り組みの中で、都市空間そのものを物理的な制約のないメディアとして扱い、XRコンテンツを発信していく際に屋外広告や公共空間の使用に関するルールなど、既存の社会制度で気を付けるべき点や、スーパーシティなどのまちづくりで都市連動型空間メディアを使う際の課題などについて検討する。