KDDIは11月9日、スマートグラスおよびXR(ARやVRなどの総称)技術を活用することで視覚的な解説を可能にするサービス「auビジュアルガイド」にビデオ通話機能を追加した「auビジュアルガイド リアルタイム」の提供を開始すると発表した。

auビジュアルガイドは博物館や美術館の作品解説に用いられるオーディオガイドの代わりに、スマートグラスを用いて展示物を音声や映像で解説するサービス。景色に重ねて映像を見られるグラス型のため、観光地などでも有効だという。

従来は制作済みのコンテンツを配信する機能のみだったが、今回ビデオ通話機能を追加したことで、リアルタイムなコミュニケーションも可能となった。また、通話元のオペレーターは利用者が見ている映像を把握できるため、遠隔地からも現地でのガイドと同様の対応が可能だ。

  • 「auビジュアルガイド リアルタイム」を利用した観光の例

    「auビジュアルガイド リアルタイム」を利用した観光の例

この機能により、遠隔地からでも観光地を案内できるようになり、ツアーガイドが現地に帯同せずとも観光地のツアーを行える。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により通訳ができる外国人が帰国して人材不足が発生している観光地においても、同サービスを利用して遠隔地からの通訳対応が可能になるとのことだ。

KDDIは11月10日から23日まで、全但バスが提供するARプライベートガイド事業に協力し、城崎温泉エリアの観光促進や新たな体験価値の創出を目的として、同サービスを活用した遠隔ガイドの実証実験を実施する予定だ。

実証実験では、城崎温泉散策をする観光客向けに、城崎温泉エリア10カ所の映像による説明と遠隔ガイドによる観光案内を提供する。全但バスのバスガイドが城崎温泉エリアの散策にオンラインで同行し、リアルタイムな応答とおすすめ情報の提供などを実施する。

  • 実証実験の模式図

    実証実験の模式図