電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN」(DDD)は12月9日、消費者の近い将来の消費意欲を測る指標として、「欲望未来指数」を開発したことを発表した。

「欲望未来指数」は、消費者が現在持っている欲望と、今後の消費に対する意向を掛け合わせることで、顕在化しているニーズだけでなく、その奥にある人々の潜在的な消費意欲まで可視化することができるもの。2021年から実施している「心が動く消費調査」をもとに、同社が独自に規定した現代の消費者が持つ43種の欲求項目から構成される「11の欲望(Desire)」の総和と、近い将来の消費意欲が一定以上ある人の割合をもとに算出する。

  • 「欲望未来指数」の概念図

「欲望未来指数」の推移を見ると、首都圏を中心に緊急事態宣言が発出され、人々の行動が制限されていた時期の2021年5月では182.5だった。徐々に行動制限が緩和され消費が活発化すると指数も上昇し、2022年11月は220.2になり、2021年と比べて人々の消費に対する意欲が高まっていることが判明したという。

  • 「欲望未来指数」の推移

また、「11の欲望(Desire)」のポイントを比較すると、直近2022年11月調査の結果では5つの欲望が過去最高の数値となったという。中でも「3.心身平常運転の欲望」「5.マイワールドを追求したい欲望」「6.資本集中型浪費欲望」は前回から10ポイント以上伸長し、昨今の「熟睡ブーム」や「沼消費・推し消費」などの消費トレンドを裏付ける結果となっている。

  • 「11の欲望(Desire)」ポイント推移

同社は今後も、心を動かす感情である「欲望」の視点を組み入れた消費者理解を追求し、より深いカスタマージャーニー(顧客の製品・サービスの購入に至るまでの過程)の設計、PDCAの仕組みづくりを通じて、企業のマーケティング活動の高度化や効率化に貢献していきたい考え。