12月5日から7日まで、東京ビッグサイトで開催されていた「JAPAN BUILD- 建築の最先端技術展 ―」。同展示会は、住宅、ビル、商業・公共施設など、あらゆる建築物を対象とした建築総合展だ。建材・住宅設備・ビル管理・運用システム・リノベーション技術・AI・IoT関連技術・不動産テック・建設DX(デジタルトランスフォーメーション)などに関わる世界中の企業が出展していた。
今回は、高性能 建材・住設EXPO、不動産テックEXPO、スマートハウスEXPO、スマートビルディングEXPO、施設リノベーションEXPO、建設DX展、商業施設・店舗DX展の計7つのジャンルに分けて、展示が行われた。
本稿では、7つのエリアの内、スマートビルディング EXPOに出展していた、日立製作所のビルIoTソリューション「BuilMirai」と就業者ソリューション「BuilPass」という、スマートビルを実現するビル共通プラットフォームを紹介する。
ビルIoTソリューション「BuilMirai」は、ビル内のさまざまな機器やデバイス,センサーから収集されるデータを一元的に集約するプラットフォーム。ビル設備の稼働状況と人流情報を組み合わせて統合的に監視・分析を行うことを実現する。
その特徴的な機能は「リアルタイムモニタリング」だ。複数のビルの状況を統合的に可視化し、ビル内フロア間や複数ビル間の比較などにより、ビルの管理の効率化や管理品質の向上を支援できるという。
具体的には、温湿度・CO2濃度をはじめ、不審者や体調不良者などが現れるといったアクシデントが起きた際の警告、トイレ長時間利用者の有無など、さまざまな情報を一目で把握できるようになっている。
一方、就業者ソリューション「BuilPass」は、就業者の属性情報を統合的に管理して、スマートフォンアプリで1人ひとりの属性に合った柔軟なサービスを提供するプラットフォーム。
「入退去管理システム」「施設予約システム」「飲食利用システム」といったさまざまなシステムを1つのスマートフォンアプリから操作することができることに加え、サテライトオフィスや支店など複数のビルを跨いだ操作が可能になっている。
筆者が特に目を惹かれたのは、「飲食利用システム」。このシステムは、自社が入所しているビル内に入っている飲食店の予約をしたり、弁当の注文をしたりすることができるサービスで、ランチタイムの混雑を避けるとともに、ランチタイムの混雑を避けて昼食をとることを可能にしてくれるシステムだ。
「BuilMirai」と「BuilPass」を連携することで、ビルの混雑状況をビル利用者に対して直接配信すること、就業者の属性情報やビル施設の予約情報とビル設備を連動させたサービスを提供することなどが可能とのこと。
日立製作所は、この2つのプラットフォームを活用することで「変わりゆく社会に寄り添える持続可能なビルをつくる」という目標を達成したい考えだという。