リコーは12月5日、和歌山県の上富田町および白浜町と連携して、マネジメント層向けに3泊4日のワーケーションプログラムを実施することを発表した。同プログラム内では、通常のマネジメント業務を実施しながら、現地の人々との交流を通じてさまざまな地域課題を知り、その解決に向けた取り組みについても検討する。
今回のプログラムは、普段の生活とは違う自然体験や部門と職種の壁を超えたマネジャー同士の対面コミュニケーションを促し、ネットワーキングを図る。さらにリフレッシュや、仕事の活力とイノベーションマインドの醸成を支援する目的があるという。
複数の調査研究により、ワーケーションはリフレッシュやモチベーションと創造力の向上が見込める働き方とされている。しかし、観光庁が2021年に実施した調査によると、企業に勤務している人の80%以上が「ワーケーション」という言葉は認知しているものの、実施したことがある人は4.3%にとどまる。
そうした中、和歌山県はさまざまなイベントや情報発信を通じて、2017年からワーケーションを推進している。2019年には、全国の自治体に呼びかけて和歌山県知事の仁坂吉伸氏を会長に「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」を設立した。
リコーは2020年10月にリモートワーク制度を変更し、ワーケーションを可能としている。ワーケーションをリモートワークの一つと位置づけて、時間と場所を有効に活用する柔軟な働き方を選択肢に含めているという。また、2022年5月には社員向けのワーケーション実施ガイドを制定している。
中長期的には、社員の自律的な働き方とワークライフ・マネジメントの実践を、リコーが創業100年を迎える2036年に向けて掲げるビジョン「“はたらく”に歓びを」につながる取り組みと位置付けているそうだ。
今回のワーケーションプログラムは2023年1月までに3回実施し、計17人が参加予定。リモート環境での通常業務に加えて、世界遺産「稲葉根王子」での水垢離(みずごり)体験、座禅体験、地域との交流会などに参加する。