AIソリューションを開発・提供するAutomagiは12月1日、デジタルセンサーによる計測・分析技術で高精度な空間データを作成する「空間情報事業」を展開する朝日航洋と共同で、3D点群データを対象物と照合する仕分け作業をAIで自動するツールを開発したことを発表した。作業工数を最大60%削減することに成功している。

開発されたAIツールは、朝日航洋が送電線などの社会インフラ点検で使用する3D点群データを現実の対象物と照合する、仕分けと呼ばれるフィルタリング作業をAIで自動化するものだ。朝日航洋は、インフラ設備の異常の有無を立体で把握するため、ヘリコプターや計測車両で設備を可視光カメラやレーザ計測で撮影し3D点群データを作成しているが、撮影されたデータは年間で約5,000km、手動で行う仕分け作業は約1,700人日もの工数が発生していた。

今回、両社はAIを活用し「過去に分類を実施したデータが"ある"状況におけるクラス分類の省力化」と「過去に分類を実施したデータが"ない"状況におけるクラス分類の省力化」の2つのAIモデルを構築。データが"ない"ケースにおいては、過去のフィルタリング作業済みLASファイル(3次元座標データファイル)を教師データとして、約6万回の学習を行い両方のモデルで90%を超える結果を出力できるようになったという。

  • AIによるフィルタリング前(画像左)、フィルダリング後(画像右)(同社資料より)

    AIによるフィルタリング前(画像左)、フィルダリング後(画像右)(同社資料より)

朝日航洋では実際にツールを活用し、運用開始時点で最大60%の工数削減の達成と手動により発生していた仕分け判断のバラつきの低減を実現したことを発表している。Automagiは、最新の機械学習技術や自然言語処理技術の研究結果を活用し、デジタルマーケティングやCRM、サポート業務で利用できる人工知能/AIソリューション「AMY(エイミー)」を開発、チャットボット「AMY AGENT」や画像・動画解析エンジン構築サービス「AMY INSIGHT ソリューション」などを提供している。