日本電信電話(以下、NTT)、西日本電信電話(NTT西日本) 香川支店、男木島生活研究所、ケノヒは11月15日、フォトリアルな男木島(香川県 高松市)をメタバースで再現することによる関係人口創出を目的とした「TENGUN Ogijimaプロジェクト」の共同検討を開始すると発表した。

今回のプロジェクトでは、NTTグループが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想で実現される、「低遅延」「低消費電力」「大容量・高品質」の情報処理基盤を活用した没入感の高いメタバースを目指す。これにより、離島を中心とした地域が抱えるさまざまな課題解決に取り組む。

  • 三次元点群で男木島を再現する様子

    三次元点群で男木島を再現する様子

男木島は高松港から北に約8キロメートルの沖合、瀬戸内海の中央に位置している。周囲約4.7キロメートル、人口160名ほどの島で人口の約6割が高齢者だ。人口は徐々に減少しており、既存の課題に加えて教育や医療などに関する新しい課題も抱えており、その解決に向けて、地域外の「関係人口」と呼ばれる人材との交流が必要とされている。

こうした状況に対して、今回のプロジェクトはNTTがIOWN構想で研究開発を進めている3D空間メディア処理技術やAnother Me(実在の人をデジタル上に再現したもう一人の自分)などを活用して、リアル世界とサイバー世界でのそれぞれの体験をシームレスにつなるような、新たなコミュニケーション基盤の実装に取り組む。

  • サイバー世界に再現された男木島を体験している様子

    サイバー世界に再現された男木島を体験している様子

今回の取り組みにおいては、男木島の現地で計測した三次元点群データなどの膨大な情報に基づいて、没入感が高いフォトリアルなサイバー空間として再現する。この空間の中で現地の豊かな自然にも触れながら、島民との出会いや交流を促進し、島での生活をリアルに体感可能だ。これにより、地域外の人の男木島に対する情熱や愛着を醸成し、関係人口の創出と、離島地域が抱える課題解決を目指すとのことだ。