コニカミノルタとノバケアは11月8日、介護分野での協業に合意し、ノバケアの自立支援介護リハビリAI(人工知能)とコニカミノルタの「HitomeQ(ひとめく)ケアサポート」のシステム連携を進めると発表した。

  • 協業のイメージ

今回の協業では、AIが最適なリハビリ・メニューを提案するというノバケアの自立支援介護リハビリAIに、HitomeQケアサポートの行動分析センサーが搭載する画像認識AIによる介護施設居室や自宅などの生活空間でのアセスメント結果を取り込み、ADL(日常生活動作)改善に向けた最適リハビリ・プランを状態像の変化に応じ、適時作成する総合システムを共同開発する。

これにより、従来のリハビリ室での目視のみによるアセスメントから、生活空間での日常生活の動作を基にしたアセスメント結果を利用した最適リハビリ・プランを提供可能になり、高齢者のADL向上に貢献するという。

両社はADLの向上を通じて、より良い介護の実現と、高齢者のQOL(生活の質)向上を目指す。

  • 自立支援介護リハビリAIの機能イメージ

  • HitomeQケアサポートの機能イメージ

協業が生み出す価値として両社は、実際の生活空間のADL評価によるリハビリ・プランでの効果向上、ADL変化に即時対応した適切なリハビリ・プランの策定、施設スタッフの業務負担の削減の3点を挙げる。

リハビリ・プランに関しては、HitomeQ ケアサポートと自立支援介護リハビリAIとの連携により、従来の病院や介護施設のリハビリ室や検査室でのADL評価のみでの策定から、テレビやテーブルなどのADL阻害要因が共存する実際の生活空間(介護居室や自宅)におけるADL評価に基づく策定が可能になり、ADLの改善を実現するという。

今後は、HitomeQケアサポートによるBI(バーセル・インデックス)の自動判定および、同データの自立支援介護リハビリAIへの自動取り込みとリハビリ・プラン自動策定の開発を予定している。

さらに、1日の活動量、日常生活での歩行状態、転倒時の状況をHitomeQケアサポートで把握し、自立支援介護リハビリAIを通じて迅速なリハビリ・プランに反映することで、ADLの状態と転倒の状況を明確にし、転倒原因の分析と、それを防ぐ生活提案も可能になると考えているとのこと。

ADL変化への即時対応に関しては、毎日24時間稼働しているHitomeQ ケアサポートにより、日々変化するADLを日常生活空間で即座にとらえ、自立支援介護リハビリAIに反映させることで、迅速なリハビリ・プランの変更が実現できるという。

将来的には、ノバケアが展開するフレイル予防、MCI(軽度認知症)予防、生活習慣病予防などのAIと、HitomeQケアサポートの行動分析センサーの連動により、介護分野に加えて高齢者の虚弱化予防や自立支援全般の支援のためのAIシステムの提供を目指す。

施設スタッフの業務負担削減については、自動アセスメントとこれに基づくケア・リハビリ計画の策定が、介護施設や病院のリハビリにおいてDX(デジタル・トランスフォーメーション)をもたらし、大幅な効率化を実現するものと考えているとのことだ。