インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月7日、2023年3月期上半期(4月~9月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比12%増の1219億6000万円、営業利益は20%増の111億7000万円、純利益は25%増の86億4000万円と増収増益だった。
ネットワークサービス事業、システムインテグレーション(SI)事業、モバイルサービス事業のいずれも好調だった。特に自社開発の多様なネットワークサービス群をインテグレーションで展開するアウトソーシングサービスの売上高は15%増の224億7000万円で業績を後押しした。ネットワークセキュリティ事業の売上高も22%増の127億4000万円と成長を見せた。官公庁のクラウド情報基盤の刷新、大口法人情報ネットワークシステム基盤の刷新、SASEの複数年間契約など、大口案件を獲得した。
SI事業も好調だった。大学ネットワークの更改案件やMicrosoft365導入などのオフィスIT案件、インターネットゲートウェイ強化案件など複数受注し上期の売上高は16%増の333億円だった。
ネットワークサービス、SIの粗利が増加し、営業利益は大幅に増加した。ただし業績貢献の多い4Qの売上、利益積み上げ途中のため、通期見通しは売上高が2500億円、営業利益が272億円、純利益が175億円と、従来予想から据え置いた。
またIIJは2022年2月1日付けで暗号資産事業に参入。今後、2023年3月期第4四半期からの本格サービス提供開始に向け、デジタル通貨事業にリソースを注力していく考え。
同日開催された会見で、代表取締役社長兼Co-CEO&COOの勝栄二郎氏は、「ネットワークシステムの複合案件増加のなか、さまざまなネットワークサービス群をインテグレーションで展開でき、競争優位性を発揮できた」と述べていた。