アリババクラウドは11月4日、年次イベント「Apsara Conference 2022」の中で、事前学習モデルを含む数100のAI(Artificial Intelligence:人工知能)モデルを搭載したオープンソースのモデル・アズ・ア・サービスプラットフォーム「ModelScope(モデルスコープ)」を発表した。

ModelScopeのプラットフォームには、アリババグループのグローバル研究機関である達摩院(DAMOアカデミー)が開発した、300以上のAIモデルを搭載しているという。これらのモデルは、コンピュータビジョンからNLP(Natural Language Processing:自然言語処理)、音声認識などさまざまな分野で利用可能だ。。

加えて、50億のパラメータでテキストから画像を生成する「Tongyi(通意)」、画像への見出し付けやVisual QA(Question Answering)などのクロスモーダルなタスクに優れた60億のパラメータを持つモデル「OFA(One-For-All)」など、アリババ独自の大規模な事前学習モデルを利用できるとのこと。

  • 「Apsara Conference 2022」の様子

    「Apsara Conference 2022」の様子

ModelScopeはオープンソースコミュニティとして、より簡便なAIモデルの開発や実行を目指すという。開発者や研究者はオンラインでAIモデルを無料でテストし、数分以内にその結果を得られる特徴を持つとのこと。また、既存のモデルを調整してカスタマイズされたAIアプリケーションを開発し、そのモデルをアリババクラウド上で実行したり、他のクラウドプラットフォームやローカル環境に展開したりできるようだ。

  • アリババクラウド・インテリジェンス プレジデント Jeff Zhang(ジェフ・チャン)氏

    アリババクラウド・インテリジェンス プレジデント Jeff Zhang(ジェフ・チャン)氏

また、アリババクラウドは同イベントの中で、サーバレスデータベース製品、統合データ分析サービス、インテリジェントコンピューティングのプラットフォームなどを発表している。

現在同社には20以上のサーバレス製品があり、今後もさらに多くの製品カテゴリの拡充を進める。また、自社開発の統合データ分析およびインテリジェントコンピューティングプラットフォームであるオープンデータプラットフォーム・サービス(ODPS:Open Data Platform and Services)をアップグレードし、企業にさまざまなデータ処理および分析サービスを提供していく方針だ。