富士通と東京工業大学は10月20日、ゼロエミッションや安心安全な社会の実現に向けて、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)技術によるシミュレーションにおいて、これまでにない大規模なデータ処理が可能な次世代コンピューティング基盤の実現に向けた「富士通次世代コンピューティング基盤協働研究拠点」を東京工業大学 すずかけ台キャンパス(神奈川県 横浜市)に設置した。
この協働研究拠点は富士通が推進する「富士通スモールリサーチラボ」の取り組みの一環だ。スモールリサーチラボとは、富士通の研究員が大学内に常駐または長期的に滞在し、大学と共に研究の加速や人材育成を目指す取り組み。
富士通はこれまで、スーパーコンピュータ「富岳」など高性能なコンピューティング基盤や、その基盤上で気象予測や創薬分野などの科学技術計算を実行するアプリケーションを開発してきた。
一方の東京工業大学も、GPUやサーバ液浸技術などのコンピューティング技術を活用し、AIによる大規模深層学習やシミュレーションとデータ科学の融合による科学技術計算の高速化に携わってきた。
そこで、今回両者は互いの持つ技術や実績、人材や知見を組み合わせた基盤協働研究拠点を設置して、大規模なデータ処理が可能な次世代コンピューティング基盤を目指すとのことだ。
具体的には、半導体微細化に依存しないコンピューティングの持続的な性能向上を実現するため、AIやHPC分野のアプリケーションやコンパイラ、アーキテクチャなどの専門家が協働研究拠点に集まり、研究サイクルを回すことで、ハードウェアとソフトウェア双方の技術革新による次世代型のコンピューティング基盤の確立を目指すとしている。