デル・テクノロジーズは10月7日、東京都内の本社において、Co-COO(共同最高執行責任者)を務めるChuck Whitten(チャック ホィッテン)氏の来日に伴うメディアラウンドテーブルを開催した。
Chuck氏はISG(Infrastructure Solution Group)とCSG(Client Solution Group)を統括し、同社の製造およびサプライチェーンの管理などを担当する。また、クラウド、エッジ、通信、as-a-Serviceなどテクノロジー領域の長期的な戦略策定にも関わるようだ。
Chuck氏は2021年にコンサルティングファームのBain and Companyからデル・テクノロジーズへ入社。Bain and Companyではテクノロジーセクターに所属しており、実は前職時代から10年以上にわたってデル・テクノロジーズの戦略形成に関わっていたのだという。
「デルに入社したのは、目の前にわくわくする機会が広がっていると感じたからだ。デルの技術で人類に貢献するという奥深いビジョンに共感し、期待できたため入社を決めた」(Chuck氏)
同氏によると、デル・テクノロジーズの業績は好調なようだ。FY23年度のQ2(第2四半期)においては売上が264憶ドルであり、この数字はCSGとISGの両面の成長がけん引したものと思われる。PCだけでなく、サーバやストレージもシェアを拡大できたという。
上半期の業績を見るとCSGとISGはそれぞれ13%ずつ成長し、売上は525憶ドルと12%の成長を記録している。
「私たちの未来は非常に明るいと思っている。当社が持っている能力や競争優位性は、各ステークホルダーに対しても当社の価値を示せているだろう。どのような経済環境にあってもビジネスを継続できる」とChuck氏は述べていた。
続けて「当社は2つのビジネスを同時に強化していく」とChuck氏が切り出した。
1つ目のビジネスは、同社の中枢でもあるPC、サーバ、ネットワーク、ストレージについてだ。この領域の市場規模は7200憶ドルほどと試算されており、同社の年間売上が約1050憶ドルであることを鑑みても、まだまだ成長の余地があるとのことのようだ。
2つ目のビジネスは、同社の中枢領域以外の新しいビジネスの創出だ。エッジ、通信、マルチクラウドのような領域でも、同社の中心的なビジネスを担うまでにソリューションを成長させるべく開発を強化するとのことだ。
日本はエンタープライズ向けのITシステムの市場が世界で2番目に大きく、経済規模を見ても米中に次ぐ位置に付けている。そのため、Chuck氏によると、デル・テクノロジーズにとって日本は重要度の高い、外せない市場なのだという。同社が企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する上で、日本は優先度の高い市場に据えているとのことだ。
ラウンドテーブルに同席した、デル・テクノロジーズ日本法人の代表取締役社長 大塚俊彦氏に聞くと、日本市場もグローバル同様に堅調なようだ。
同社が今後注力するのは「既存のITのモダナイゼーション」「生産性の向上に資する働き方改革」「デジタルデータの収益源化」「セキュリティの変革」の4領域とのこと。コンサルティングプログラムとして活動を展開する予定だ。
大塚氏は「APEX」をはじめとするas-a-Service事業の強化と、パートナーエコシステムの拡大についても力強く述べていた。
「大手町(東京都)に本社ビルを移転したこともあり、新しい変革を起こせるように、お客様とのディスカッションや共創もより一層強めていきたい。これまでもビジネスとして堅調に推移してきているが、これからさらに次なる成長を加速させていきたい」(大塚氏)