Microsoftは10月3日(米国時間)、公式ブログ「 Slower SMB Read Performance for large files in 22H2」において、Windows 11 バージョン22H2(Windows 11 2022 Update)ではSambaファイル共有を使用した大きなファイルのコピーにパフォーマンス上の問題が発生していると伝えた。

リモートのコンピュータからSMBプロトコル経由で数GBのファイルをコピーすると、スループットが40%も低下する可能性があるという。バージョン22H2以外のPCに対して同じファイルをコピーした場合、この問題は発生しないとのことだ。

  • Slower SMB Read Performance for large files in 22H2 - Microsoft Tech Community

    Slower SMB Read Performance for large files in 22H2 - Microsoft Tech Community

この問題の回避策として、ファイルのコピーにrobocopyコマンドを使用する方法、またはxcopyコマンドを「/J」パラメータを付きで使用する方法が挙げられている。xcopyはファイルやディレクトリのコピーを行うための高度な機能を持つコマンドであり、Sambaファイルシステムにも対応している。robocopyはxcopyを機能的に置き換え、より多くのオプションを追加したコマンドで、「/J」パラメータによってバッファリングなしでのコピーが実行される。

robocopy \\someserver\someshare c:\somefolder somefile.ned  /J

パフォーマンスが低下する詳しい原因は明らかにされていないが、Microsoftの説明では、この問題の根本の原因はSMBのコードにあるわけではないようだ。そのため、恒久的な修正はまだ提供されていない。また、Sambaは最もこの問題の影響を受けやすいケースだが、Sambaを使用しないそれ以外のコピーでも同様の問題が発生する可能性があるという。

もし大きなファイルのコピーで性能の問題が発生した場合、修正パッチがリリースされるまでの間は、xcopyまたはrobocopyを使う方法で一時的な回避を図る必要がありそうだ。