創業169年、売上高1兆円超を誇る総合重工業メーカーのIHIグループ。昨今の市場変化に対応すべくDXを進める同社の取り組みは「DX銘柄2022」に選定されるなど高く評価されている。

しかし、その歩みは決して順風満帆なものではない。中でも大きな壁となったのが、同社のビジネスを支える4つの事業領域のサイロ化である。

巨大企業ゆえの課題に対して、同社はどのように立ち向かい、克服したのか。

8月25日、26日に開催された「ビジネス・フォーラム事務局×TECH+ EXPO 2022 for LEADERS DX Frontline 不確実性の時代に求められる視座」に、同社常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長の小宮義則氏が登壇。IHIにおけるDXの推進の歩みについて語った。

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IHIグループが抱える課題と、DXを阻む壁

IHIグループは、石川島播磨重工業を前身とする総合重工業メーカーである。創業169年と長い歴史を持ち、現在は売上高1兆円超、従業員3万人弱を抱えるグローバル企業となっている。

同社は主に4つの事業領域を中心にビジネスを展開している。カーボンソリューションや原動機などを扱う「資源・エネルギー・環境事業領域」、橋梁や水門、交通システム、都市開発などを扱う「社会基盤・海洋事業領域」、車両過給機や物流・産業システムなどを扱う「産業システム・汎用機械事業領域」、航空エンジンやロケットシステムを扱う「航空・宇宙・防衛事業領域」である。

  • IHIグループにおける4つの事業領域

いずれも大規模な事業領域であり、IHIグループのビジネスを支える重要な役割を果たしているが、それゆえに「問題を抱えていた」と小宮氏は指摘する。

問題とは、業務プロセスや事業に関するシステムが各事業ユニットごとに分離してしまっていることだ。

個別に成長を遂げてきたことで、各事業ユニットには業務プロセスにおける「方言」が存在し、他の事業ユニットとは会話が通じない状態になっている。また、財務や人事といった基幹システムについてはシステムが統一されているものの、各事業ユニットでは個別にIT投資が進んでしまい、システムの連携も難しい状況だという。いわゆるサイロ化が発生していたのだ。

その原因は専門性を重んじる企業風土にあった。

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