TISインテックグループのインテックは9月22日、東京大学大学院 医学系研究科 次世代病理情報連携学講座(以下、東京大学)と共に、臨床医の病理診断報告書の確認漏れを抑制する実証試験を開始したことを発表した。
全国の医療機関により病理診断結果の確認漏れによるインシデントが報告されていることから、東京大学はAI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した患者への病理診断未伝達防止システムの研究を進めてきたという。
今回の実証実験では、東京大学の支援のもとでPSPが開発した「病理診断未伝達防止システム」を、インテックの病理・細胞診検査業務支援システム「EXpath」に組み込むことで、病理診断報告書と臨床診断の差異を検出し、「病理医への病理診断時の提言(重要度の初期値設定)」、「臨床医への病理診断参照時の注意喚起」を実現できるかを検証する。
インテックは今回の実証結果をもとに機能の有効性と課題の深堀りを行い、「EXpath」のオプション機能として「病理診断未伝達防止システム」を展開し、全国の医療機関での病理診断報告書の確認漏れ抑制を支援していく予定だという。
EXpathはインテックの病理・細胞診検査業務支援システム。検査受付から報告書作成までの業務を支援する機能を搭載し、病理検査に必要な情報を一括管理可能だ。電子カルテやオーダリングシステムなどと連携することで病理データを病院全体で共有できるようになり、臨床部門での病理データの活用にも寄与するとのこと。