商船三井と古野電気は9月16日、離着岸作業の安全性と効率性向上を目的とする「離着岸支援システム」の製品化に向けて、システムのトライアルユースを実施すると発表した。トライアルユースは、2022年9月~2023年3月にかけて、フェリーさんふらわあが運航する大型カーフェリー「さんふらわあごーるど」(神戸-大分間)において実施される。

古野電気が開発した同システムでは、船上に設置したLiDAR(ライダー)によって、船舶から岸壁までの相対距離と相対姿勢を計測し、計測結果をカメラ映像に重畳(重ね合わせて)表示することができる。

  • 離着岸支援システムの重畳表示のイメージ

    離着岸支援システムの重畳表示のイメージ

従来、船舶の離着岸では乗組員が経験に基づいて、船体と岸壁との距離などを目視で計測し言葉で伝達していた。同システムで、操船者に周囲の状況を見やすく表示することで岸壁との接触事故を低減し、離着岸作業の安全性・効率性向上を目指す。

今回のトライアルユースでは、システム画面構成の見やすさ(乗組員がシステム画面を見て、表示された計測結果を容易に理解できるか)など、使い勝手の検証を行う。また、船長を始めとする乗組員との意見交換を行うことで、乗組員の視点に立った安全性も加味したシステム開発・製品化を目指す。