日立製作所は9月6日、製造業を中心としたインダストリー分野向けに、主にMES(製造実行システム)やSCADA(監視制御システム)などの製造現場系OT(制御・運用技術)・IT領域のシステム・インテグレーション(SI)事業を手掛ける米Flexware Innovation(フレックスウェア イノベーション)の買収を、8月31日に完了したと発表した。
今回の買収により、北米においてOT・IT領域の事業強化を図り、ロボティクスSI事業を手掛けるJRオートメーションを軸としたデジタル化を加速するという。
さらに、ERP(制御・運用技術)やクラウド事業などを展開するHitachi Vantaraなどとの連携により、製造現場の膨大なデータが集まるロボティクスSIからMES、SCADA、ERPまで、現場と経営をデータとデジタルでつなぐ「トータルシームレスソリューション」を提供できる体制になるとしている。
同社はインダストリー分野において、プロダクト、OT、ITを併せ持つ強みを生かし、Lumadaを使用して現場と経営、サプライチェーンの間にある際の課題をデジタル技術で解決し、新しい事業価値を創出するというトータルシームレスソリューションのグローバルな展開を、基本方針として掲げているという。
同分野の高い市場成長が見込まれ、かつ先進のデジタル技術の導入が進むという北米を注力地域に位置付け、2017年に空気圧縮機事業を手掛けるSullair、2019年にロボティクスSI事業を手掛けるJRオートメーションを買収し、さらに両社を含めた北米におけるインダストリー分野のグループ会社を2020年に設立した北米統括会社であるHitachi Industrial Holdings Americasの傘下に集めて一体運営を強化するなど、成長への基盤を固めてきたとのことだ。