ソフトバンク、自然災害を予測するコンソーシアム設立‐GNSSを活用

東北大学大学院理学研究科、ソフトバンク、ALESの3者は8月29日、2社および国内の12研究機関18部局が参画する「ソフトバンク独自基準点データの宇宙地球科学用途利活用コンソーシアム」を2022年8月に設立したことを発表した。

コンソーシアムの構成図

同コンソーシアムでは、ソフトバンクが全国3300カ所以上に設置しているGNSS（Global Navigation Satellite System）観測網（独自基準点）のデータについて、地震や気象などの幅広い地球科学の分野での活用方法を検証する。同コンソーシアムの活動によって、さまざまな自然現象の理解が進むとともに、自然災害（ジオハザード）の高精度な予測など、防災・減災などにつなげる狙いだ。

コンソーシアムの活動イメージ

GNSSとは、米国のGPSなど、上空を周回する人工衛星から送信される電波を利用して、受信点の位置を正確に把握する衛星測位システムの総称のこと。東北大学大学院理学研究科は、2021年6月からソフトバンクの独自基準点におけるGNSS観測データの提供を受け、地殻変動場の把握のための精度検証を実施してきた。その結果、ソフトバンクの独自基準点から得られるデータは、高い精度で地殻変動を把握することが可能であることを確認したという。

そこで3者は同コンソーシアムを設立し、GNSS観測網であるソフトバンクの独自基準点のデータを用いて、これまでにない高い時間・空間分解能で地殻変動や水蒸気量、電離圏などの動態を明らかにするべく、地球科学の分野における同社の独自基準点の活用方法を検証する。また、幅広い分野の地球科学の研究者が連携することで、新しい地球科学の創成を目指す。